11年前に外壁塗装をして頂き、前回に続いて今回2度目の塗装のご注文を頂いたお客様宅のご紹介です。
今回の施工担当の職人は、塗装の最上位免許を持つ2人の職人、星野と須藤。一級塗装技能士でもある2人がどのように仕上げるのか、まずは動画をご覧ください。
初回、当時2005年の外壁塗装
すでに当時から日の当たりやすい破風や戸袋などの木部関係がひどく傷んでいました。根本修理が必要な個所もあり塗装だけでは済みそうもなく一部大工を入れました。
劣化度と比例するように業者選びにも頭を抱えていたご様子でしたが、結局うちに仕事を任せて頂いたという状況です。
作業写真がほぼないため、ほぼ施工前と施工後のご紹介になります。
- 玄関側から施工前
- 玄関側から施工後
- 道路側から施工前
- 道路側から施工後
- 強烈に紫外線が当たる方角の壁面。破風板がバリバリでした。
- 施主のご主人さんが仕事に出かける際に挨拶を済ませた後の足場組立の段取り中。
- いきなり塗装後ですが、写真がないためご了承を。
- 破風とともに傷んでいた戸袋の塗装後。
- 北側は格子だらけでした。
11年後の2016年、塗装前の状況は?
11年経過後どのようになっていたのでしょうか?あまり堂々とお見せできるようなものではないかもしれませんが、当時の塗料では精いっぱいの施工です。都合のよくない工事経過状況を見せなければイメージもいいのでしょうがそれでは参考になりません。
特に外観に木部を多用する築年数が古いお家は、木部が腐食してしまうと塗装だけでは済まなくなり補修のため大工を入れてその分予算も膨らみます。
適切な塗装作業であれば、今回のように11年経過しても塗装剥がれは致し方ないものの大工を入れず塗装だけで済ますことができます。要するに11年前の塗装前の状態に戻ったという意味でもあり木部は腐食することなく素地は守られたということだと思います。
それだけに家全体を塗装する外壁塗装では木部塗装が耐久性を決める重要な場所でもあります。
2回目、2016年の外壁塗装
いよいよ塗装作業です。まずは塗膜の劣化が著しい部分の旧塗膜を撤去するケレンから始まります。
その後パーフェクトプライマーをたっぷり木部の素地に吸わせてあげてパーフェクトトップでの重ね塗りです。ちなみに塗装は3回塗りが一般的と言いますが、木部の場合は塗装が剥げて素地が顔を出してしまっている場合は4回塗ることもあります。その代わり、日が当たらない場所などは塗装につやが出てるような活膜の場合は2回で仕上げれば十分の場所もあります。
劣化度に関係なくどこもかしこも3回塗りは耐久性のバランスを欠くため品質上良い外壁塗装とは言い難くなります。塗料メーカーのカタログでは3回塗りと書いている仕様が多いですが、建物それぞれ風当りや日当たりなどの周辺環境・素材・築年数・劣化度などの条件をかけ合わせれば、とてつもない量の仕様になります。
従って現実的にはその表示は困難なため、あくまでも基本として3回塗りという仕様を示しているだけにすぎず、経験値の高い職人が劣化度によって塗り回数を判断することが何より重要になります。
こちらのページでは、3回塗りの様子を詳しく説明しています。
- 庇のトタンの錆止め。グレー色です。
- 軒裏の天井は日が当たらない場所ですが、下地調整時に素地が出てしまっています。原因は新築時の塗装まで遡っての影響も可能性としてはあります。後はイメはケイカル板が一般的ですが、ベニヤでは収縮の観点から致し方ないかもしれません。
- 木枠の下の水切りの錆止めです。
- 玄関柱下の鉄部。
- 窓のフェンス
- 木製格子も下塗り。傷んでいませんが密着性のため下塗りは必要です。
- 下塗り完了
- 木枠レールの下塗り。
- ひさしの下塗り
- 戸袋木部の下塗り。最近見かけなくなってしまったこの形の木製戸袋ですが、塗り手間が半端ではないのです。平面だとすればどれだけ容易なのかといつも思ってしまいます。
- 木部も鉄部もそれぞれの下地に対応ができるパーフェクトプライマーで下塗りをしています。
- 玄関は新しいものに交換済み。
- 雨樋もローラーで塗装
- 窓上庇トタン
- 通常のアルミ枠の雨戸もローラーにて塗装
- 軒天は一度1シーラーを塗布
- カチオン形弱溶剤系アクリル樹脂ケンエースにて仕上げます。
- ケンエースは関ペのところのビルテックに値する塗料です。
- 本番の外壁塗装。ここは何の支障もなく通常通り3回塗りの塗装で仕上げまする
- 紫外線の影響が少ない破風板は塗装で仕上げます。
- 玄関上は茶系です。
- 一級塗装技能士の須藤です。筋交いの刷毛さばきを披露
- 戸袋も赤茶系です。
- こちらは255のチョコレート色です。
- 仕上がりです。ここまで来るのはケレンもそうですが、下塗り塗料の吸い込みもそれなりにありました。
- チョコをローラーで塗装
- 玄関の枠周りの取り際です。漏れないように慎重に作業します。
- ガラリ状になっている戸袋の枠周りはチョコレート色です。
- フェンスはグレー
- 雨樋
- このお宅の屋根は瓦なので未塗装です。こちらは下屋根の雨押さえトタンを塗ってます。
- 今回は傷みやすい箇所で軒樋がない場所の破風部分はガルバリウムの板金巻きを行いました。
- 板金巻き、、いわゆる破風巻きとも言いますが、これを施工すれば、金輪際この部分に関していえば塗装のメンテナンスは不要です。
- 見た目も良いです。
- ただし一応破風には塗装をしてあり、その上から板金屋の手によって破風巻きをしています。
- ガルバなので耐久性も抜群です。
- 暴風の雨でも入らないように継ぎ目は余計にとっています。
こちらのページではガルバリウム板金巻きの施工にも少し触れています。
木部を多用している外壁塗装の場合、耐久性を維持することは簡単ではないですが、塗装前と塗装した後の見栄えの変わり方が激しいためより綺麗にお家が生まれ変わります。
【築30年外壁塗装で新築に生まれ変わる日】
仕様
足場・準備作業:
仮設足場組み立て・解体:202㎡、飛散防止用メッシュシート張り:202㎡
外壁塗装:
外壁高圧ジェット洗浄:184㎡、養生:110㎡、クラック補修:1式、下塗り塗料パーフェクトフィラー:3.5缶、中塗り塗料パーフェクトトップ:3缶、上塗り塗料パーフェクトトップ:3缶、外壁塗装施工費(下+中+上塗り):129㎡
付帯塗装(3工程・ファインパーフェクトトップ塗装):
破風巻板金(軒樋のないところのみ総て):28m、破風塗装:23m、雨樋:80m、軒裏(3工程・ケンエース塗装):31㎡、玄関ドア回り、柱(軒はウレタンクリヤー仕上げです):1式、庇(トタン+木部):8箇所、木製窓枠:12箇所、雨戸:24面、戸袋:11箇所、面格子:5箇所、バルコニーフェンス:5.4㎡、バルコニー柱:2本、バルコニー下軒裏(3工程・ウレタンクリヤー塗装):4㎡、窓下水切り:15箇所、フード:1箇所
その他:
バルコニー格子溶接工事3本:1式、戸袋ガルバ貼り:5面 ※西側4面、南側2F東寄り面5面(5か所の塗装の保証はありません。)、外壁保証10年、その他4年