川崎市川崎区のマンション大規模修繕の現場へ。
現場は築30年、ALC外壁の6階建てマンションです。
今回が初めての塗装工事ということで、施工前はだいぶあちこちに傷みが目立っていたようです。見学に行った2月20日の時点では、施工もだいぶ進んでおり、外壁の塗装も大方は完了している状態。
ところでこの現場、少し通常の工事風景とは異なるとは思いませんか?
足場が地上から数メートルの地点までしかありません。すでに解体したわけではなく、実は、ブランコという工法で塗装をしているんです。
ここでは、屋上に固定された器具にロープとお尻を支える板を固定して、徐々に下りながら施工をしていきました。名前の由来は、公園にある遊具のブランコに似ているからだと思われます。
上の写真は違う現場での様子ですが、ロープを巧みに操って塗装しながら下っていきます。
マンションのように面積の大きな建物になると、足場の費用もかなりの額になってきます。また、場所によっては、足場を組むスペースがないということもありますので、このような工法も承っています。
外壁はだいたい、ALCパネル3枚分が1人の1回辺りの作業範囲。塗り替え前には目地シーリングの打ち替えも肉厚にしました。触ってみると弾力も感じられます。
階段は長尺シートを貼って、防水と防滑仕様にしています。また、このシートには遮音性能もあるので、歩行音の低減効果も。
屋上には今回使用している塗料缶の山が。使いかけのものは乾燥しないようにビニールをかけて保存。
屋上の塔屋や鉄部もしっかり塗装が完了しています。
屋根はアスファルトシングル。黒い部分が塗装の完了したところで、茶色い面は施工前の状態。ここもブランコ工法で塗替えです。こうやって下を見ると、なかなか怖い景色ですね 笑 ロープのみで下りていくことを想像すると体が硬直してしまいそうです。
再び1階に戻り、タイル塗装の様子。高圧洗浄だけでは目地の汚れが落としきれなかったので、薬品とブラシを使ってきれいにした後、Sクリートガードという撥水剤を塗布しています。
塗布して乾燥している面に水をかけると、玉のようになってはじかれていますね。これを塗ることで、下地内部に水が浸入することを予防したり、汚れ付着防止といった効果があります。
ベランダ側の外壁や軒などはまだ塗装していなので、これから作業を進めていきます。
今まで研修として何度か施工現場にお邪魔したことはありますが、ブランコ工法の現場は初だったので、いつにも増してドキドキとした研修になった気がします 笑
ロープのみで塗装を行うのは本当にすごい…とあらためて思いました。
合わせて観たいYouTube ・ビル屋上からのロープ作業