いよいよ今年最後のブログです。
今年一年も本当にありがとうございました。この写真は先日のブログでも少し紹介しましたが、僕が乗っている車のメーターです。メーターの針は、4万キロ指しています。
約1年半という短い期間で4万キロもの距離を走行したのですが、それだけさまざまな場所のお客様の元にお伺いさせて頂いている証しとも言え、本当にありがたいことです。
今回のブログでは、この1年でご紹介しきれなかった案件を少し振り返ってみたいと思います。
雨漏り補修で駆け抜けた1年
この1年間、さまざまな雨漏り工事の営業担当をしたのですが、経過観察中の家ももちろんありますが約9割の雨漏りを止めてきました。
いつも雨漏りのご相談を頂いた際には、絶対止めてやるぞと挑みますし、しかしそれと同時に雨や自然の恐ろしさを十分に見て来ましたので、止められないこともある・・・と自分の経験や考えを過信しないように気持ちを引き締めています。
毎回自分としては、神経がすり減るほど悩み考え雨漏りと対峙し、雨が降ればいつもお客様の家の心配をする・・・。
そんな毎日の繰り返しです。
今年手がけた防水工事の中から、今日はいくつか印象的なものをご紹介したいと思います。
大手ハウスメーカーで建てた家の雨漏り補修工事が決まるまで
まずはこちらの屋根です。
もともと大手ハウスメーカーで建てられた家で、お父様から家を引き継がれたお客様でした。
大手ハウスメーカーに見積もりを出したところ、屋根の葺き替えと面戸キャップを取り付けることを提案され、そのまま工事をしていいか悩まれたのだそうです。
そこで、塗装職人へご相談がありました。
現場調査をするために屋根へ職人とともに上がってみたところ、なんとなくこれかな?という穴が。
ところが、いざ調べようとしたところ思わぬ事態になったのです。
お客様宅の屋根はガルバリウム鋼板で、通常であればちょっと細長い板パーツになっているのですが、このガルバリウム鋼板は大手ハウスメーカー特有の大判な1枚板になっているものでした。
そのため、小さい箇所ごとの修繕ができないのです。
職人と相談したところ、この屋根を持ち上げた場合・・・屋根を戻しても穴の位置がずれてしまうかもしれないと。
そうなってしまうと、さらに雨漏りの原因が大きくなってしまいます。
そこで、お客様にその旨をお伝えしたところ、それでもなんとか屋根を剥がして本当に葺き替えが必要な状態なのか見て欲しいとおっしゃるのです。
そこで、意を決してできるだけ穴の位置をずらさぬように職人と僕とで協力して屋根を持ち上げてみました。
すると、やはり思った通り屋根の下には水あとがありました。
この穴が雨漏りの原因になっていることは明白です。
防水紙もそろそろ交換時期にさしかかってはいるものの、破れも無く、ここだけ修繕してきちんと止水ビスをして、塗装工事をすれば雨漏りが止まるのではないかと・・・・・・。
お客様に状態をお伝えしたところ、是非補修をとおっしゃって今回の屋根塗装と外壁塗装、雨漏り修繕のご依頼を頂きました。
家を守るための 正しい相見積もりとは
このお客様宅では、いわゆる相見積もりをしていらしたのですが、非常に正しい相見積もりの仕方だな・・・と思いました。
なぜなら、お客様は価格で比べるのでは無く工事の内容や、修繕箇所に対するアプローチ方法などから、それぞれの業者の工法を比べ答えを出されていたからです。
きちんと大手ハウスメーカーの工法も聞き、屋根をすべて葺き変え、面戸キャップを鉄板屋根の三角部分に取り付けることで雨漏りがおさまるという提案を踏まえた上で、今度は弊社の雨漏り原因の追及とその原因に対するアプローチを聞いて、それぞれ自分の家にとって何が必要なのかということを判断されました。
正直、屋根に空いた小さな穴の補修として、屋根を全部葺き替えてしまうのは過剰な工程ですし、ましてや雨漏り箇所と関係の無い部位への面戸キャップは、不要です。
もちろん、大手ハウスメーカーさんが提案した内容が悪いわけではありません。
ただ、もう少し小規模に工事が可能・・・ということなのです。
そうした工事内容の比較から、お客様は弊社と契約になりました。
このお客様のように、最近ではほんとどのお客様が相見積もりをされます。しかし、その多くは金額だけを比べ安い工事の方へ流れていきます。
その工事はどのような内容ですか?
安い理由は明確ですか?安い工法や材料を使って安くなっている工事は、決してお得ではないのです。
だからこそ、こうした工事内容や工事範囲の比較が非常に大切といえます。
さらにもう一つ、印象的な雨漏りのお宅がありました。
配管の雨漏りを補修するために本当に必要な工事とは
次のお宅は、配管から雨漏りがおこっている家でした。
こちらもまた別の大手ゼネコンさんが手がけた家で、管理会社の提案は天井を全て剥がして確認するというもの。
しかし、弊社の職人と配管を拝見したところ、防水テープの下をめくると配管に穴がみつかりました。
写真は原因①
もしもこの穴を発見できなければ、大がかりな工事になったかもしれません。しかし、今回はカテーテルのように改修用ドレン施工で対応となりました。
写真は原因②
今回は外壁工事と建物の状態を見てルーフバルコニーは雨漏り箇所のみの工事になりました。
もちろん鉄管なので、今後腐るかもしれないという不安はついて回ります。しかしそこは、適切なメンテナンスをすることで不安を抑えることが可能に。
塗装工事は、ある意味家の手術をするのと同じです。
切りすぎてしまうと、家が傷みやすくなってしまいます。
そのため、全摘出手術なのか?それとも患部のみの摘出手術なのかという判断が必要となるのです。
ただ、その診断を下すためにはお客様に覚悟が必要となります。
最悪患部を広げることになるかもしれない状態を引き受け、きちんと工法を理解しなければなりません。
家の状態をしっかりと知ることで、家を保全する補修工事が可能となります。
家自体の構造からおこる雨漏りへのアプローチ
紹介した二つの雨漏り工事は、後天的な原因で引き起こされた雨漏りでした。
最後にもう一つ、雨漏りの原因についてご説明します。
実は家の構造上の理由で、雨漏りがおこってしまう場合があるのです。
構造として雨漏りが起こりやすい第1位はジャロジー。このジャロジーは、家の構造物として欠陥があり、かなりの確率で雨漏りの原因になります。
他にも、天窓なども雨漏り原因になりやすいですし、家を建てる際に防水層の工事の仕方が不完全なため雨漏りが起こる場合も。
そうした先天的な雨漏りの場合には、上記でご紹介しました雨漏り内容とはアプローチが違います。
この場合は、補修する・・・というよりは改修に近いのかも知れません。
ジャロジーを取ってはめ込みのガラス窓にしたりとか、天窓を取って屋根とするために窓穴を塞いだりするなどなど。
雨漏りにはこうした複数の理由があるからこそ、判断が大切なのです。
1年間おこなった雨漏り工事を通してお客様にお伝えしたいこと
同じ雨漏りといっても、家の状態や手がけたハウスメーカーなどで状態が変わります。
『雨漏り』だからといって、原因を十把一絡げにしないでください。
それぞれ原因と結果があります。
そこをうまく紐解くことで、雨漏りを止めることができるのです。
どうか全ての工事内容を冷静に判断し、正しい相見積もりをしてみて下さい。
2021年は、本当にさまざまな原因の雨漏り補修工事をしました。
これからも塗装職人として、外壁塗装はもちろんのことですが雨漏り補修や防水工事に力を入れていきますので、2022年もどうぞ宜しくお願い致します。