塗料を多く使用するモルタル・スタッコの外壁に、惜しみなく塗料を塗布して耐久性のある厚い塗膜に仕上げました。
レンガの煙突や、アイボリーと白の組み合わせにより、かわいらしい雰囲気のお宅に塗替えられています。外壁と屋根で405kg、27缶をタップリと塗らせていただきました。
そしてこの外壁を見てください。
スタッコの吹きっぱなしといいます。これ以上塗料の消費をする外壁は滅多にありません。
それに伴ってめちゃくちゃ塗るのに時間と労力がかかるのです。ツルツルの外壁と比べたら、3倍の手間と材料がかかります。 決して大げさには伝えていません。正直にメーカー標準としての単価を出せば、お客さんには敬遠されてしまうほどの額になる外壁です。
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こちらの外壁も負けず劣らずのザラザラ凸凹の外壁です。

でも手を抜かれた工事にも手を出してもらいたくない。とっても悩みどころの外壁なのです。せめて外壁の㎡数に対する塗料消費量をつかってもらうペンキ屋さんを選んでもらうように願うばかりです。今回は住宅街なので、洗浄にも気を遣って防音タイプの高圧洗浄機を二台使用。屋根や玄関前の手摺りなどのサビ止めには、鉄部には最終的な色味に合わせて今回は赤錆びを使います。
屋根の雨抑えなどは釘など飛び出ていたら打ちこむので、屋根の作業は金づちと刷毛の二刀流です。塗装する部分に、シリコンがありました……。シリコンは塗料が付着しにくいのです。
だけど大丈夫、逆プライマーがあるので、しっかりと塗って密着性を良くし、シリコンにも壁や屋根と同じように塗料乗るようにします。
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プライマー、シーラー、二つの下塗り塗料を使って臨機応変に作業しながら次は養生です。ベランダの手摺りにはどうしても足をかけるので(中への出入りのために)汚れや傷がつかないよう、普段のビニールの養生ではなく頑丈なブルーシートで養生します。
防音の高圧洗浄機で外壁の洗浄
住宅街なので、防音タイプの高圧洗浄機2台を使ってしっかり洗いました。
- 戸塚区での作業2日目。現場に到着しました。今日は水洗いです。ご近所には事前に洗浄の日程は伝えてあります。足場の周りの覆いのシートもお隣に迷惑をかけてしまうため屋根よりずっと高く上げています。に到着しました。クサビ足場が頑丈に組まれていますね。質の良い塗装の元ですね。
- 高圧洗浄機を準備しています。これも爆音でご近所に迷惑をかけてしまうため防音タイプを2台使用します。屋根はいつも時間がかかるものですが外壁は汚れが根付いているスタッコの吹きっぱなしです。手ごわい相手だけに時間も相当かかると見越しての準備です。
塗り漏れ確認しながら鉄部の下塗りとシール補修
屋根上の見えない煙突部分も「丁寧に」などとは言わず「いつも通りの」丁寧作業で。
- 塗装技能士の竹内が屋根の鉄部にさび止めを塗っています。下地調整は終えています。足場シートを屋根の上より高くしています。ご近所の家も見えますが水洗いの水しぶきや塗料の飛散防止にとても重要です。
- 軒のクラックが出ている所をシールで補修しています。耐久性に差はありませんが、完成時に隙間が出てしまうのでシールで埋めるのです。もちろんノンブリードタイプの後から汚れが出ないタイプのものを使用しています。
- 密着性をよくする為に手すりに細かいキズをつけます。境界フェンスですね。傷といっても塗ればわからなくなるぐらいのものです。塗装はこの研磨に近い下地調整をすることではげにくく長持ちします。
- 手すり鉄部のさび止めです。ローラーで塗れない模様柄のスチールフェンスですね。このような手すりは上下左右とあるゆる角度で視点を変えながら塗らないと、必ず塗り残しが発生します。塗る作業よりも確認作業をしながらなので時間がかかりますね。
- 赤く見えているのは、トタン鉄部のさび止めの下塗りです。これは 鉄部のくぎの打ち直し。コロニアル屋根の棟抑えは必ずというほど釘が抜け掛かっています。下地の板がしっかりしていればいいですけどね。
- 煙突はよくある帯板と同じ新建材で加工されたものです。その下のレンガとの隙間をシールで埋めています。屋根の上で見えない場所も丁寧になんて言いません。いつもの普通の作業ですね。特に竹内は放っておいてもこういう作業にうるさい人間なのです(^v^)
- 軒の隙間をシールでうめています。サイディング以外は外壁専科やボンドコークというノンブリードタイプを使います。ちょっとした隙間の処理やクラックにはとてもよいシール剤です。コーキングとも言いますね。
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塗料の密着性を上げるために必須な高圧洗浄です。
養生と塗装を長持ちさせる為の各所下塗り
完成後には見えない所ですが、仕上がりの質を上げる為にとても重要な工程が養生と下塗りです。
古い塗膜が剥がれてしまっているところは塗料をガンガン吸い込んでしまうので、それを阻止するためにもしっかりと下塗り剤を染み込ませて塗料が必要以上に吸い込まれないようにしました。
見上げながらの作業は首が痛いだけではなくて、うっかりシーラーが垂れて目に入ると痛いので、気をつけながらローラーを転がして作業します。
- 戸塚区での作業4日目。布団をよく干すところのベランダ笠木と壁の境は、塗装ができないシリコンシーラントがしてありました。そのまま塗ると絶対に後からはげてくるため専用の接着逆プライマーで密着性をよくします。ホームセンターでもよくシリコンシーラントが売ってますが、家の外回りのDIYや日曜大工ではあまり使ってほしくないですね。塗装の予定がある場所はウレタン系や変性シリコンでやりましょう
- 何度も言いますが屋根上までだいぶ伸びた足場シートはお隣などへの迷惑防止になるだけでなく、職人の落下防止にも役立ちます。あるとないとでは屋根上で行う塗装作業の丁寧さも変わってきます。とくに今回のような勾配がキツい屋根には必須です。傾斜は急ですが一級塗装技能士がたっぷり下塗りのシーラーを塗っています。
- そのまま乗ると足あとがつくのでがっちり養生します。ベランダの笠木の上も作業中足がつきやすい場所です。今日の戸塚区の空模様は今ひとつはっきりしませんが、屋根と同時進行で作業していきます。
- 2級塗装技能士の曽根が塗料の密着性を上げるために雨どいに微細な傷をつけています。雨樋は比較的他の場所より塗装がはがれやすい傾向があるため必要なのです。
- 雨樋の下塗りです。ミッチャクロンというプライマーを塗布しています。壁と雨樋の間がせまいので、ぬりにくいですがていねいにぬります。
- ベランダ内の床と壁の境にあるスチール製の水切りに専用の下塗りのさび止めを塗っています。
- 帯板に下塗りのシーラーをぬっています。新建材でできているため、旧塗膜がはがれている所はその素材への塗料の吸い込みがはげしいのです。シーラーは密着性を上げるために必要ですが、素材に吸い込まれすぎてはしまっては、次に塗る塗料との密着が悪くなってはがれてしまいます。それを防ぐために吸い込みが止まるようにたっぷりぬります。
- 軒にシーラーをぬっています。この日の午後の戸塚も今にも降り出しそうですが、軒裏は雨の影響は受けないところなのです。透明な下塗り塗料ですが、つやが出るため塗っているか塗っていないは確認できます。その上から白系のカチオン形NADアクリル塗料を塗ります。軒天には定番です。目に入ると痛いので気をつけてぬります。
種類を使い分けて塗装しない部分を養生
玄関前は中腰で、ブルーシートがたるまないようにテープで貼り付けます。
ベランダの養生は、手摺りに余計な色がつかないよう、そして壁との間のラインが綺麗に出るよう、まっすぐ貼っていきます。ここでゆがむと変な線になってしまうので、神経を使ってまっすぐ丁寧に、塗料が滲んでこぼれないよう、爪も使ってきっちりと密着させます。
こびりついて汚れで染まった外壁をタップリの塗料で刷り込むには、養生がぴちっとしていないと塗料が漏れて仕上がりが汚くなってしまうからです。養生に使う道具にも色々な種類があり、それらを使い分ける事によって徹底した養生を施す事が出来ます。
- 戸塚区の作業5日目。ベランダの中の養生です。狭い場所です。コツコツと作業をします。床、水切り、雨樋もドレンにつながっているため、その部分も養生をします。
- ベランダの手すりの養生です。ビニールマスカーのほうが安価ですが、破れて傷が付いてしまうため頑丈なブルーシートの素材のもので養生をします。壁との境はマスキングテープによって、塗装との境の線がまっすぐでるようにていねいにテープをはります。
- やりにくい場所ですが塗料がにじまないようにテープをしっかりおさえて養生をします。ここは塗らないサッシの部分です。やはりマスキングテープで塗料の漏れが出て仕上がりが汚くならないようにぴっちり貼ります。
- 玄関前です。ノンスリップマスカーは、頻繁に出入りする場師よではよれてしまい、歩くときに少々危ないときもあります。やはり丈夫なブルーシートの養生シートを敷きます。こっちのほうが破れて足を引っ掛けてしまう可能性も極端に減るため、出入りの多い玄関前には最適なのです。
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丁寧な養生はきれいに仕上げるために必須です。
風による塗料飛散に注意しながら煙突中塗り
屋根より少し高く張り上げているとは言え、煙突部までは覆えません。塗料を飛散させないように注意しながら作業します。
軒の上塗りでは塗りにくいところも腕を伸ばして塗りまして、綺麗に仕上がりました。全工程のちょうど半ばに差し掛かった七日目、屋根や住宅では数少ない煙突の中塗りや下地塗りを続けます。
屋根より上部分にはメッシュシートがないので、勢いよく塗って飛散しないよう、丁寧にローラーを転がします。
ベランダの壁は、白から柔らかいアイボリーに完成させました。
- 戸塚区での作業7日目。軒の上塗りです。出窓と軒の間が狭いです。ローラーが転がしにくいのですか。やりにくい所でも丁寧に塗り替えます。一級塗装技能士のプライドですね。
- 軒の仕上がりの写真です。綺麗に仕上がりました。外壁はこれからです。このように上のほうから仕上げるのは塗装の基本です。下から仕上げてしまい次に上から塗装してしまうと、塗料が飛び跳ねて汚してしまうからですね。
- 今日も引き続き下塗のローラー作業です。飛散に気を付けながら作業します。簡単に見えるかもしれませんが、濃厚なドロッとした塗料をローラーにタップリ含ませて塗ります。とくに今回は壁の目が粗いので全然ローラー作業も進みません。歯がゆいのを我慢でコツコツです。
- 屋根の煙突鉄部の中塗りです。屋根より上はメッシュシートがありません。ローラーでも風があると塗料は飛びます。強風の場合は結構離れているところまで飛んでしまうこともあるためゆっくりとローラーをころがして飛散を防ぎます。向こうには同じ築年数の家がたくさん並んでいます。戸塚区でよく聞く住宅街の一角です。
- 住宅では数少ない屋根の煙突帯の中塗りです。レンガに垂らさないように慎重に塗り進めます。
- 玄関前の外壁レンガは塗らないため養生をしています。飛んだら中々とれなくなってしまいます。カベ下塗りのダメこみ作業です。力を入れすぎると養生の隙間からレンガの方に塗料がもれてしまうので気をつけながら作業をします
安定した足場で妥協の無い壁の塗り替え作業
外壁と帯板などは一緒くたにせず、材質に合わせた塗料を使って塗装する事で、より安定した耐久力を期待する事が出来ます
- 戸塚区の作業8日目。ベランダ内の中塗りです。凹凸の激しい壁は塗りづらくローラーも重たく感じます。薄い塗料にしてしまえば塗り心地も軽く見た目だけは綺麗に仕上がりますが…。一級塗装技能士の竹内はどんな時でも本当に塗料の正しい扱いを頑なに守ります。いっそ頑固なほど! 正しく希釈された塗料で白い外壁が綺麗な色で染まっていきます。
- 南面1階り2南面1階の中塗りです。家の高さの構造と足場の組み立ての都合で、しっかり直立で作業することができないため、しゃがみながらの作業なので横に移動していくのが大変です。それでも単管ブラケット足場でなくクサビ足だからまだ良いのです。過去を遡れば、単管の場合はこういう作業しづらい場所ほど妥協してしまう職人さんもいましたからね。
- ベランダ内の刷毛でのダメこみです。ローラーで入らない隙間は、ハケでキッチリ塗っていきます。普通に立っていれば見えない場所です。お客さんによっては気にしない人もいるので、やはり業者さんによっては入れないところもあります。ただ我々塗装職人では隅々まで塗ります。こういう場所も価格の違いが表れるのかな、と思います。
- 帯板も外壁も同じ種類と色の塗料で塗るのではなく、きっちり塗り分けます。できる限り一緒に塗るというより、素材ごとに専用塗料で塗り分けるとやっぱり長持ちにつながります。バケットを何気なく足場の上に置いて作業していますが、これが丁寧作業につながるクサビ足場の長所です。
- 窓の上をローラーで塗っています。普通は縦にローラーを転がしますが、この場所は狭いので横にしながら転がします。軒にローラーがつかないように気をつけながらの作業になりました。作業しているのは黄色いタオルがトレードマークの職人・曽根カズ。持ち前の器用さで専門職にも劣らないシーリングの施工も出来る塗装職人です。
- 料がついたら吹きながら作業するかのどちらかが多いものですが、ここもきっちり養生しています。作業は面と東面との養生をとっています。ビニールが壁にくっついて跡がつかないように慎重に剥がしています。雑にとってしまうと塗膜のバリが飛んで壁を汚くしてしまう原因にもなるからです。
不安定な足場で中腰を維持して屋根中塗り
外壁上塗りは6インチローラーを使って暑く塗装しました。塗装後の掃除を終えたら本日の作業は終了です。
- 戸塚区での作業11日目。北面の上塗りです。ただ塗っているだけではないですよ。濃厚にたっぷり塗っています。中塗りと非常に色が近いので、順々に塗っていき塗り忘れがないように塗っていきます。
- 東面の上塗りです。6インチのローラーにてたっぷり転がしています。写真を見てもらえばわかりますが、上塗りをした所はツヤが出ています。色が近い塗料を塗り重ねる際には、より注意することが必要です。
- 屋根の中塗りダメ込みです。赤色はもちろん錆び止めです。これもローラーでは塗りにくいしローラーで塗ると塗料がダレやすいので刷毛で塗っていきます。一級塗装技能士の技です。
- 屋根の雪止めの中塗りダメ込みです。これもローラーでは塗りにくいしローラーで塗ると塗料がダレやすいので刷毛で塗っていきます。雪止めがあるのとないのでは塗りやすさがまったく変わってきます。屋根上まで伸びている足場。安心して作業ができます。
- 屋根のローラー中塗りです。足場が不安定な屋根上での、中腰を維持したローラー作業は大変ですが、職人・竹内、頑張って塗りました。中塗りだけでも、陽が反射して良い艶が出ています。
- 北面ベランダ床面。ここの上も足場を組んで作業に取り組んでいましたが、トップコート塗布のため足場を撤去しました。これだけの部品を組み合わせてガッチリとした足場を組んでいます。
- 最後に作業をしたところは、もちろん。周囲を ぐるっと掃き掃除をして今日の作業は終了です。
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温風塗装機やカップガンを使った吹き付け塗装
玄関前やアーチ部分などをカップガンと言われる道具でスプレー塗装。ビニールを周囲に張って飛散に注意しています。
- 戸塚区での作業12日目。吹付け作業のため、玄関前の開口部を養生しています。玄関まわりはレンガなのでモルタル外壁との境をローラーで塗ると仕上がりが汚くなります。チロンとも呼ばれたりする、ちょっと高価なセイワ産業の温風塗装機で吹き付けることで綺麗に仕上げていきます。
- 北面ベランダ水切りの中塗りです。職人は一級塗装技能士の星野。今は生まれたての子供の良きパパとして頑張っています。水切りの色で壁との線を出す作業なので慎重に塗っています。
- 玄関を吹付け作業のため袋にしています。温風塗装機は温風で吹きつけるので、飛散しても周りへの塗料の付着を防ぎますが、吹付けの塗料は霧状になって飛散するため、念を入れて このような養生となります。
- 吹付け作業中です。これはカップガンによるスプレー塗装。コンプレッサーから空気が押し出されて塗装する機械です。一回で吹きつけようとすると養生から塗料漏れをおこすので、何回かに分けて吹きつけます。塗装技能士の試験でもある作業です。
- 同じく吹付け作業中です。機械の準備で時間はかかりますが、アーチの中は狭くハケやローラーでは無理に塗ると仕上がりに支障が出てしまいます。なので吹付けでの作業方法をとりました。本当はマスクが必要ですが、それほど面積が無いので大丈夫なのです。
- 北面ベランダの上塗りです。綺麗に壁との線が出ました。ベランダの傘木のブルーシート。ここまでがっつり養生をするのは珍しいと思います。でもビニールでもし破れでもしたら傷が付いてしまいます。アルミなので塗装できないですしね。
- 屋根の上塗りの3回目です。塗りたての塗料はとても滑りやすいため乗らないように注意しながら塗っています。屋根から伸びた煙突が不思議な感じです。ここまで外壁と屋根で27缶、キロ数にして405kgの消費です。ここまで頑丈な塗装で長持ちしなければ嘘ですよね (^v^)
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