樹脂接着剤注入施工実技試験

本日はひび割れ(クラック)補修の専門家、「樹脂接着剤注入施工技能士」の実技試験でした。
もちろん国家資格です。

塗装職人からは3名受験。
何を隠そう私も受けてしまいました。

樹脂接着剤注入施工とは、マンションやビルなどの外壁改修の際に、最も重要視される作業です。
塗装の前の下地調整の、さらにその前の段階で、外壁の爆裂(鉄筋コンクリートの鉄筋がさびて外壁を持ち上げてしまう現象)やクラックの処理、モルタルの浮き、タイルの浮きなどがある場合に、穴を開けてエポキシ樹脂などを注入して強固な状態に復活させる作業です。

一般の住宅では、まず使われることがないエポキシ樹脂ですが、マンションなどの修繕工事では頻繁に使われています。
でなければ国家試験となりません。
まぁ住宅で応用できなくもありませんが、手間が掛かり過ぎるというのが難点かも知れません。

戸建の場合はたいてい壁のモルタルの厚さが薄いので、クラックの下地処理はシーリング材を注入する方法で十分です。

クラック処理にはたとえば「Uカット」という方法があります。
ディスクサンダーなどの道具でひび割れに沿って溝を入れて、ひびの修復をしやすくなるように処理します。
これを住宅で行っている業者さんがいると時々聞くことがありますが、正直、最適な方法とはいえません。

しかも予算的にお客さんへの負担がかかりすぎるという難点もあります。
どうしても、という場合は当然出来なくもないですが、お勧めはしません。

ただマンションなどの鉄筋コンクリートのクラックに対しては、ひび割れの程度にもよりますが、必要な時はちょくちょく行います。
クラックの処理方法はほかにもいくつかあって、シーリングで埋めたり、パラテックスという割と高価な材料を使うこともあります。
ひび割れの幅が小さい場合は、低圧注入という方法もあります。

今日はとりあえず試験が終わったということで、また報告します。
明日からまた雪っぽいです。
子供たちは喜びますけどね。

現場は大変です(笑)

一級塗装技能士のほか「ひび割れの専門家」としての樹脂接着剤施工技能士の2つの国家資格と、塗装科・職業訓練指導員の所有者でもあります。 塗装業者さんはたくさんあれど、本質的な工事品質の差は「社長が職人の業者は現場に魂が宿る」という言葉に表されるのではないかと自分を戒め修行中です。

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