横浜市役所ROUKA(廊下)プロジェクト Yokohama City Hall ROUKA Pro
横浜市役所内の2フロア分約150メートルの廊下と天井を塗る工事費用実質0円の廊下プロジェクトに、塗装職人の私たちが参加させて頂きました。 職員さんが働く市役所内の廊下と天井は薄暗く、塗装できれいにしようにも財政難の横浜市から予算がおりないという実情。そこで職員さんが発案した「ROUKAプロジェクト」。 塗装業者に依頼せず職員さん約70名みずから塗装できれいにしてしまおうというプロジェクトです。社長・川口・竹内・曽根・柳澤というそれぞれの一級塗装技能士が技術指導をさせていただき、塗装の知識や経験がない中手慣れないい刷毛やローラーを一生懸命動かしながら無事きれいに完成させることが出来ました。※現在の市役所は横浜市中区本町に移転しましたが、作業は当時関内駅前にあった横浜市中区港町での市役所です。
お打合せ
ほぼデスクワークを専門にされている職員さんがどれほどの塗装作業ができるのか見当もつきません。市役所が休みの土日の2日間で作業完了させなければいけませんので、そのためにはどの程度の人数の職員さんに仕事してもらえばいいのかがとても悩みました。塗装の指導をする立場としては、期間内に完了させる義務があります。
何度も市役所に打ち合わせに行っては、人数のシュミレーションを頭の中で描いていました。面積が少なければいいのですが、3,4階の廊下と天井です。長さも75メートルあるので、実質150メートルの廊下と天井ということになります。 打ち合わせの結果、一度試し塗りを行ってから、人数確保の調整をしようということになりました。
試し塗り
本番の日にリーダーになってくれる職員さんを7人ほど集めて、試し塗りを行いました。
試し塗りの準備だけでもかなりの量の塗料を使いますので、準備段階で汗だくです。道具の使い方や日程、塗料の特徴などを丁寧に説明します。
実際に一通り手本を見せてからスタートです。職員さんはゆっくりですが、丁寧に塗っていきます。早く塗って後から塗り直しをするよりも、丁寧にしっかり塗ってもらったほうが、後々の事を考えるといいのです。
とりあえず、試し塗りは無事に終わりました。未塗装の壁と試し塗りをした部分の差がはっきりと出るようになりました。
本番1日目
壁と天井の塗料16缶と木枠や鉄部の塗料を2缶、ローラーや刷毛、養生などトラック満載になりました。担当の職員さんと、作業前に最終の確認をします。人数確保のために試し塗りを行ったものの、当日にある程度計算された人数より不足しているということがわかったのですが、今さらどうしようもありません。当初は、2日間で約100人ほどの職員さんが集まれば、余裕で終わるだろうという計算でしたが、結局は70人ほどになりました。
まずは養生の説明からです。養生はとても大切な作業なので、職員さんたちにもしっかり理解していただく必要がありました。皆さん真剣に聞いてくださってとても心強かったです。
養生の説明が終わって、職員の皆さんで養生スタートです。お子さん連れの職員さんもいて、とても貴重な体験になったと思います。
養生のあとは刷毛やローラーの使い方と塗り方の説明です。試し塗りの時と同様に、これも実際に塗ってお手本を見せます。
いよいよ塗装のスタートです。はじめに刷毛で細かいところを塗ってから、ローラーです。鉄部の錆び止めなど下塗りもきちんと行います。 このプロジェクトの私たちの役割は、塗装作業の指導と補助がメインでしたが、職員さんの人数が足りないので、私たち職人も作業に加わりフル稼働です。
こんな形で1日目は終了です。シャカシャカと急ぐように作業をする職員さんもいれば、じっくりと丁寧に取り組んで作業をしている職員さんそれぞれでした。 人手不足ながらも予定通りに作業は進み、順調に2日目につなげることができました。
本番2日目
いよいよ最終日です!小学生の男の子や女のコもお父さんと一緒に、ペンキまみれになりながら作業をしていました。 汚れはしたものの、お父さんの職場を一緒に塗装するなんていう経験はなかなかできるものではないので、とても良い思い出になったのではないでしょうか。 とはいえ、今では横浜市といろいろお付き合いさせて頂いていますが、この時ほどほっと胸をなでおろして安心したのは言うまでもありません。
最終日も同じように作業の説明をし、職員の皆さんと一緒に作業スタートです!
最終日はとにかく必死に塗る!! 途中までは本当に今日中に終わるのか不安でしたので、我も忘れ一生懸命作業に徹してしまいました。 特に代表である私は現場から数年離れてはいましたが、本当に作業に徹するとかなり集中しながら突っ走ってしまうため、いつもより疲労もひとしおでした。
みんなで塗りの作業を終えたら、上塗りをして、かすれて場所がないかをチェックしてまわり、養生を剥がしてそろそろ完成です。 ただ塗料の漏れは必ずある事なので、床についたペンキをカッターやシンナー等でよくふき取り、無事完了させることができました。
Before & After
市役所から相談を最初にお受けしてから、実際の塗装に入るまで段取りに半年近く時間を掛けて念入りに準備しました。 ここまで大がかりなボランティア関連の塗装例は横浜市でも前例が無いからてした。 費用を頂いての仕事であれば、大勢のプロの職人たちで固めることが出来ますが、今回はほぼ全員塗装未経験者です。 塗装品質や完成度のレベルの責任は私たち数人の指導する側に掛かってきます。 今更ながらですがその時の精神的プレッシャーは普段経験出来ない相当なものでしたが、今は貴重な経験でもあります。
ちなみに業者に依頼すれば恐らく200万円は掛かるであろう今回の工事ですが、塗料は一部日本ペイントさんから支給していただき、私たち自身はボランティアで道具類はすべて提供させて頂きました。 神奈川県内はもちろん東京都内の行政や自治体にお勤めの方々からのご希望がありましたらご相談お受けできます。※繁忙的な業務状況によります。▼工事費ゼロプロジェクトの特設ホームページです。
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