足場を建てる際に必要なこと 足場管理のいろいろ

これまで、ブログの中で何度も取り上げてきました足場ですが、足場は塗装工事の要と言えます。
大切な『要』だからこそ、建てる前から気を配る点が多い工事です。
今回は横浜、世田谷と現場を回った際に行った、足場工事の事前準備などをご紹介します。

足場を組む前の事前調査

 

足場を組む際、まずは事前調査を行います。
家の周りをぐるりと歩いてみて、足場が組めるかの確認はもちろんですが、樹木の確認、そして足場を組む前に割れている物、傷がついているものが無いかの確認をひとつずつ行います。

 

まずは樹木の確認です。

足場を建てるのに支障を来す樹木がある場合、支障枝剪定を行います。

2枚の写真をご覧ください。足場を建てる箇所のみ刈り上げているのがお分かり頂けますでしょうか?
この写真のように、家の壁に沿った部分の枝を刈り込み、足場の邪魔にならないようにするのです。
家の周りに木が生い茂っている場合は、見積時に支障枝剪定という項目が入る場合もあります。

次に、足場を組む前の壁やフェンス、周辺物のチェックです。
今回の現場では駐車場が隣接していたため、足場に近い車の傷などもチェックし撮影をしました。

また、家の隅にあった割れた植木鉢などもチェックします。
植木鉢については、お客様にご報告させて頂きました。

それ以外にも、建材を置くスペースの確認などもします。
スペースが無い場合は、壁に立てかけて建材を置くこともありますので、その際にはやはり壁に傷がないかの確認と、養生の準備を。


あらかじめ壊れている物、傷がついているものをチェックし、お客様と情報を共有することで、お客様との信頼関係を守ります。
すべて写真を撮って記録に残すことで、ご近所トラブルの回避にもなるのです。
「やったやらない」と言った水掛け論は、一番工事の進行にヒビを入れますので、この前準備は二人一組で行うなど、慎重さが必要となります。

併せて観たいYouTube 関連動画:安全な足場を組むためのひと手間

境界線に組む足場の注意点

 

都内の住宅などは、お隣と密接している場合があり、境界線のフェンスがあると足場が組めないことも。
そのため、フェンスを外してから足場を組みます。


上の写真をご覧ください。写真の中心部にある黒い棒…これがフェンスを取り外した支柱部分です。
もちろん取り外す際には、事前調査と同じくしっかりと状態を確認し、写真に収めます。

くさび式足場の組み立て

 

事前調査が終わったら、足場の組み立てです。


戸建て1軒の場合、この写真のようにトラック1台分の資材で足場を組み上げることができます。
家の前に広い道路がある場合、トラックを駐車して資材を下ろしますが、家の前にトラックを止められない場合や、家のエントランスまで長い階段がある場合には別の対応が必要です。
そうしたときは運搬費を別途頂くこともあります。

弊社で使っている足場はくさび式足場なのですが、ハンマーで接続部分を打ち込んで組み上げ、ほとんどの場合1日かからずに組み立てる事が可能です。
ハンマーを打ち込む際に大きな音がでますが、事前にご近所にご挨拶をし、工事の対応についてのチラシなども配ります。
いらっしゃらない場合は、ポストへの投函となりますが、こうした事前に周知を促すことで音へのクレームはほとんどありません。
しっかりとした幅の踏み板のある、動き安い足場は職人が動き安いため、工事をスムーズにします。

併せて観たいYouTube 関連動画:足場の設置から解体までを5分で紹介

ベランダなど防水処理のある場所の足場

 

足場を組む際に、ベランダなど防水を施す箇所については、足部分を最初は浮くように吊って設置をします。


その後、防水塗装が終わったら乾いた後に足を下ろし、ふんばりがきくようにするのです。
足場は、ただ闇雲に建てるのではなく、工事の工程をしっかり把握した上で建てるようにします。

メッシュシートの役割とは

 

足場を組み上げたら、全体的にメッシュシートを張り巡らします。
メッシュシートは、張り巡らすことで高圧洗浄の際に出る水の飛散防止や、塗料の飛散防止などになりますが、それ以外にも工事中に万が一道具の落下があった際に道路などに落ちることも防ぐのです。作業をする職人としても体を外に持って行かれにくくなるので、安心して作業ができます。
作業をする上では、道具を落とす事無いよう細心の注意を払って行っていますが、こうしたメッシュシートがあることによって心に余裕ができ、それが安定した作業へと繋がるのです。

メッシュシートの巻き上げ

 

メッシュシートは、台風や大風などの予報がある際には、必ず巻き上げを行います。
少しでも風の抵抗が無くなることで、足場が揺れたり崩壊したりすることを防ぐためです。


それ以外にも、現場が数日空く場合も、巻き上げを。
この場合は、作業がすぐ再開しやすいように風の抵抗を感じない状態に軽い巻き上げをします。
逆に、工事が全て終わり解体を待つだけの場合は、しっかりと巻き上げを。

メッシュシートの巻き上げと一口に言っても、さまざまな巻き上げ方があります。
使い分けることで、職人が作業にかける時間を調整し、効率的に工事を行うのです。

 

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足場は塗装工事の大事な基礎

足場の事前調査は最低二人、そして足場の組み立て工事は2〜3人ほどで行います。
1日かからない作業ではありますが、洗浄や補修、塗装工事をする際に、それぞれの職人がスムーズに動けるかどうかの要の工事です。
今回紹介した以外にも、電線などが近い家の場合は、足場を組んで感電してしまう恐れがありますので、電線防護カバーの取り付けなどを行う場合も。
これには、別途電力会社の工事費がかかります。
安全に工事を行うために、こうした小さなところからしっかりと工事をするのが塗装職人の工事品質を守るための大事な基礎です。

これからも、職人が心配せずにスピードを持って作業できる足場を組むことで、工事の品質を上げていきたいと思います。
工事を選ぶ際には、どうか足場工事にも注目して見てください。
もしも見積時に、足場工事費用を安く見積もっている場合には、その業者は注意するといいでしょう。全ての工事の土台となる足場を安くあげるということは、他の工事もどこかで安くあげて売り上げを出そうとするはずです。

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きちんとした採寸をし、家にぴったりと沿うように建てられ、職人が動きやすく家を傷つけない足場。それが、足場工事に求められることです。
何かご質問がありましたら、いつでもご連絡ください。
足場のこと、塗装のこと。
私たち塗装職人が、プロとしてご相談にのります。

 

建築施工主任 家のことを何でも出来るようにと、20代の時に長野県の木造建築の親方に弟子入りして大工の道へ進む。30代の時にはキャパシティを拡げるために農業や造園業にも従事。造園業では外構工事も多く手掛け、家に関するエキスパートとして活躍。見えるところだけではなく見えないところも手を抜かずにやるのがモットー。妻と子供2人の 4人家族。

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