究極の業者選び(vol.2)

実は技術に乏しい業者の実情とは

教えて!横浜塗装職人 VOL.2・下請け任せの利益のみを追求した工事



前回、素人が見分けるのは本当に難しいと教えて頂いた「塗装業者の選び方」ですが、プロの目から見る判断基準は何ですか?
腕が良いとされる塗装業者は、代表者の経歴である程度判断する事ができます。塗装業は認可や許可などが要りません。そうなると、誰でも塗装業をはじめられるという事になります。現実にお客様に説明できるだけの知識は持ち合わせていながらも、現場での実務経験、すなわち塗装技術がないため、実のところの塗装品質の優劣を職人レベルで理解できない業者さんは数多く存在します。
例えていうならば料理でいうオーナーとオーナーシェフの違いです。オーナーにも料理を作るオーナーシェフもいれば、料理は出来ないけれども料理を作るのはシェフに任せてお店を経営しているオーナーもいます。塗装の場合問題なのは、工事完了後でも品質を確かめることができない点にあります。
仕上がりの状態から判断できないということですか?
難しいです。
まず仕上がりのきれいさと品質の本質である「耐久性」は別です。きれいに仕上がって見えても数年後に塗装がはがれてきたりするなどのトラブルもよくある事例です。そもそも業者自身、品質を把握することができないため、技術的にも指導することができず、結局のところ下請け業者への丸投げ依存です。
うちも協力業者と連携をして仕事をしていることも少なくないため、下請けへの工事が悪いということをいうつもりもありませんが、中には手抜きをせざるを得ない予算を半ば強制的に下請けに託し、完成後はきれいに見えてしまうという塗装の性質を利用して、利益のみを追求する工事もままあります。
でも、そんな悪い業者は一部だけなのでは?
もちろんすべてということはできません。ただこれは大手でも例外ではありません。
やり方次第でうまみのある商売ともいえます。それゆえ、収益性にだけ魅力を感じて参入する会社も多く、トラブル工事が絶えない要因にもなっています。元々「代表者=職人」という業者は、この様な理由だけで塗装を始めていないということはお察し頂けると思いますが、問題なのは収益のみに魅せられて営業している会社です。繰り返しますが職人であれば技術的に善し悪しの判断は当たり前にできますが、そのような業者は残念ながら工事品質が良いものかどうかの根本的判断がつきません。
外壁塗装というものは、高額な費用にも関わらず、行政や国が施工に対して何の基準や規制も設けていません。それゆえに参入障壁が低く他業界からの参入が多い分、品質の低い工事も少なくないという結果となっています。
では今回の総括として『代表者が職人を兼任している業者は概ね安心』という事でよろしいですね?
あくまで業者を見極める方法の一つとして有効だということです。
しかし、それもすべての会社に当てはまるという事ではありません。代表者が職人ではないからといっても工事の内容に重点を置いた理念の高い会社もあります。ただその見極めは非常に困難だと思います。よくありがちなのでホームページの内容をすべて信用してしまうという事です。
ホームページこそお客様からみて立派で魅力的な内容はいくらでも書けます。気づいて欲しいのはその裏で泣いている人もいるという事実です。
他業者さんの工事でトラブルを抱えてうちに相談してくる人がいますが、その中でもホームページを見て信用してしまったという人が少なくありません。今は時代的にも訪問販売での営業が厳しくなってきているのですが、そのような営業手法を用いた会社がインターネットで集客するようになってしまい、さらに業者選びを難しくさせているのが現状です。魅力的な文言やイメージよりも「代表者=職人」という図式に基づいて業者選びをすれば、魅力的なホームページの内容にも一歩立ち止まって考えられるような慎重さを持つことができると思います。
ちなみに代表者が所有する国レベルの資格を見れば、職人かどうかという判断も可能になります。

次回からは、こうした実情を踏まえ、より有益な情報を具体的に提供していきたいと思います。

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