劣化箇所を補修して長持ちさせる塗装職人の改修・補修工事とは

今回も大工工事で入った現場について、2軒ご紹介いたします。
どちらも一軒家のお客様で、僕が担当したのは塗装工事の下地処理として行った補修工事と
改修工事でした。ここでいう補修工事とは、不具合のある個所を補修する工事のことを言います。


そして、改修工事とは新しく天井を作るなど、新たに作りつけた工事のことです。
それでは、サンルームの補修・改修工事とモニエル瓦屋根の補修工事についてご紹介します
ので、どうぞご覧ください。

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サンルームの補修工事

1軒目のお宅は、横浜市中区にある貸家です。

それまでここに住んでいた居住者の方が退去されたので、貸し出す前に補修工事をしたいと
のことでした。

大きな補修箇所としては、サンルームの床と屋根の補修工事です。天井は改修工事をしまし
た。
まずは、天井の工事からお話しいたします。

天井の改修工事

こちらの写真をご覧ください。


天井が、細かく剥がれているのが分かります。
雨漏りが原因なのか、それとも湿気なのか、結露なのか…とにかく塗膜が剥がれてしまって
いるのです。

僕の見たところですと、結露が原因なのかな?という感じでした。
こちらのサンルームは特殊で、天井が仕切られていて、スライドして天井が開くようになっ
ています。

ですが、ここ何十年も開けておらず…逆にそのスライドさせることができる部分の重なりが
隙間となり、湿気の原因になっていました。
台風や大雨があると、この隙間から雨が吹き込むこともあったそうです。

そこで、隙間をすべてシールで塞ぎ、サンルーム内には新たに天井を貼ることにしました。

これは、サンルームを外側から撮影した写真です。
サンルームの屋根がベランダからせり出しています。このせり出し部分に、スライドさせる
仕掛けがあり、隙間が空いている状態です。

まずは天井を新しく貼るための桟木を入れ、下地を入れて天井の下地を作ります。
今回天井に張り込むのは、アルミの積層板です。

アルミの積層板は、外でも使用できる建材で、ベランダの目隠しや看板の下地などでも使い
ます。

今回は、サンルームという半分外のような場所なので、このアルミの積層板を使うことにし
ました。


サンルームは、温度差や湿度差が激しく、通常の木材では環境の変化に対応が困難です。
積層板を増し張りすることで、強度もアップします。

このアルミの積層板の場合、天井に直接ビス止めをするのでビスが見えてしまいますが、こ
れ以外は施工方法として選べないので、ビス痕はそのままにすることにしました。

サンルームのフローリング補修工事

次に、サンルームのフローリング補修工事についてご紹介します。
床も天井と同様に劣化していたので、こちらは補修工事することにしました。
こちらの床は下地に打ち付けてあって、すぐ下は土間です。
そのため、何十年もの湿気でフローリング自体が傷んでいました。

そこで、古い床板をすべて剥がし、新しい根太の上に新しいフローリング材を張り込みます。
このサンルームは半屋外のような作りなので、床下に断熱材はあえて入れませんでした。

またフローリング材も慎重に選びます。
湿気の多い場所では、ある程度湿気に強いタイプのフローリング材を選ぶ必要があるのです。

もしくは、下にコンパネを引くことで補強することもできるのですが、今回は床の高さが変わってしまうため、コンパネは貼らずにフローリング材のみで対応します。

根太の上に湿気に強いフローリング材を直接張り込み、これで高さを変えることなくフローリングを綺麗にすることができました。

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サンルーム屋根のシーリング

最後に、サンルームの屋根をシーリングします。
今回、サンルーム屋根の塗装はしませんので、シーリング剤も紫外線に強いタイプのシリコ
ンにしました。


熱に強く、密着も良いのがこのシリコンシーリングです。
サンルームの上にある、ベランダの床板を剥がして作業をします。
ここから屋根上の隙間にシールの打ち込みをしました。

これで水の浸入を防ぎ、天井も補強しましたので、湿気によって塗膜が剥がれてしまうとい
うことはなくなります。
今回こちらのお宅では、足場は組まずに脚立などを使って状態を見ながら作業をしています
ので、ひとまずサンルームの補修工事はこれにて終了です。

このあとは、モニエル瓦の塗装前に行った補修工事についてご説明いたします。

モニエル瓦の補修工事

次は、東京の大田区のお客様宅です。
こちらは、まるごと1軒家の塗装をいたします。屋根塗装もするのですが、屋根材がモニエ
ル瓦でした。

モニエル瓦は、塗装工事前の高圧洗浄をかけた際に、粉みたいなものが大量に落ち作業に苦
労する瓦です。
しかし、塗装するためには洗浄が必要となります。
実際洗浄をしたところ、モニエル瓦の隙間を埋めるためのシーリングが劣化していることが
わかりました。

年数が経ったことでシーリングが劣化し、また穴が空いてしまっていたのです。
この穴によって、雨漏りが起こり、軒天の塗装が剥がれてしまっていました。
屋根に空いた穴は、後天的にできた不具合ではなく、もともとの瓦屋根の納め方で、最初か
ら少し隙間があったのです。

その隙間を塞ぐためにシールも打ってありました。
しかし、10年以上たつと、シールは劣化して取れてしまいます。

そこで新しくシーリングを打ち、それ以外の補強工事もすることにしました。

軒天の補修とシーリング工事

まずは、軒天の補修工事です。
軒天に張り込んであるケイカル板自体は、そこまで傷んでいませんでしたので交換はせず、
掃除だけしてケイカル板はそのままにしました。
ここからはシール工事です。先に水の浸入口を塞ぎます。

 

瓦の隙間に残るシール剤を取り除き、そこに新しくシールを厚めに貼れば完成です。

もともとのピンク色のシーリングは、下が黒くなっていて、その下の隙間から雨水が入り込んでいることがわかりました。
隙間のあるところ一帯、ふさぐようにシールします。

併せて観たいYouTube 屋根瓦のズレを補修する

 

また軒天部分には、真ん中に銀色の板金で水切りを取り付けました。
これで、水が破風に直接落ちずなるべく外に落ちるようにします。
水切り部分にも厚めにシールを打ち、ビス止めした箇所にもシールの打ち込みをしました。
さらに、瓦の穴、破風の傷んでいたところもシールで補修します。

現状は、かなりシーリングした痕が見え、すこしみっともないですが、この上から塗装する
ことで綺麗に仕上がります。

改修工事と補修工事をすることの大切さ

塗装工事をする際には、改修工事や補修工事が家の土台を補強するために大事な工事となり
ます。

塗装されると、家の傷跡などが隠れることでなんだか補修もできた感じになりますが、実際
のところはただ表面が隠れただけで、なんの問題も解決しません。
ですので、こうした環境や状態に適した補修工事や改修工事が必要なのです。

家の工事をする際には、是非こうした大工工事も念頭に入れて下さい。
雨漏りや湿気の入る経路を断って、うまく補修工事ができれば、塗装工事をすることで家は
ぐっと長く持つようになります。

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内藤
建築施工主任 家のことを何でも出来るようにと、20代の時に長野県の木造建築の親方に弟子入りして大工の道へ進む。30代の時にはキャパシティを拡げるために農業や造園業にも従事。造園業では外構工事も多く手掛け、家に関するエキスパートとして活躍。見えるところだけではなく見えないところも手を抜かずにやるのがモットー。妻と子供2人の 4人家族。
建築施工主任 家のことを何でも出来るようにと、20代の時に長野県の木造建築の親方に弟子入りして大工の道へ進む。30代の時にはキャパシティを拡げるために農業や造園業にも従事。造園業では外構工事も多く手掛け、家に関するエキスパートとして活躍。見えるところだけではなく見えないところも手を抜かずにやるのがモットー。妻と子供2人の 4人家族。

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