今回は過去に行った神奈川区での施工から、1月25日の雨戸塗装の作業風景をお送りします。
職人は一級塗装技能士の川口が担当。
雨戸は塗りやすいように、設置してある場所から外して立てかけています。雨戸の四隅にはマスキングテープで養生をしました。塗装面は鉄部ですが、周囲はスチール製で塗替えをしないため、塗料が付着しないように覆う必要があるのです。この養生で塗り分け線が出るので、テープを真っ直ぐに貼り、途中で剥がれてこないように手でよく押さえておきます。雨戸の養生に関しては、下地調整を終えてから行う場合も。
養生後は下地調整をします。
鉄部は下地がツルツルとしてるため、そのまま塗料を重ねても剥がれやすくなってしまいます。そのため、ハンドパットやサンドペーパー(紙やすり)といったケレン道具で表面を研磨して、ごく微細な傷をつけることで塗料の食い付きを向上させます。せっかく仕上げた塗装があまり長持ちせず、すぐに剥がれてきては困りますよね。塗装工事では、塗料を重ねてからではわからない(見えない)工程が塗装の耐久性を左右させるのです。
入念に下地調整をしたあとは、プライマーを塗布してさらに塗料がしっかり密着するように下塗りします。
サビが発生している場合はここでサビ止めを使用して、再びサビが発生することを抑制させます。サビ止めの色は何種類もありますが、仕上がりの色に合わせて選択。その中でもよく使用されるのは、赤錆び、茶、白、グレーなどです。
刷毛で一段ずつたっぷりプライマーを塗り終えたら、次は中塗りです。雨戸の端は塗りにくいため、刷毛でつつくようにして奥まで塗料を塗り込みます。厚みのある塗膜に仕上がるように段ごとにたっぷり塗料を重ねていきました。
最後は上塗りをして3度塗りの仕上げです。今回は塗料の飛散が少ないローラーを使用して上塗りをしました。通常のものですと、雨戸のような凹凸がある場合にはあちらこちらに塗料が飛散してしまうのですが、このローラーは塗料の含みがよく、平滑に仕上がる上に飛散が少ないという多機能なものです。
中塗り時点でもツヤは出ていますが、さらに塗料を重ねるときれいな光沢が輝きます。外壁や屋根が塗替えによって美しく蘇るので、雨戸といった付帯部分も同様に仕上げていきました。
雨戸や戸袋塗装では、刷毛やローラーのほかにスプレーでの吹き付け塗装を行うこともあります。吹きつけ塗装では刷毛目が出ることがないですし、スピーディーに仕上がるという利点があるのです。ただ、塗料の飛散があるので(養生は徹底しています)、お宅の広さがあり、周囲に住宅がないなどの作業環境が求められます。
これで雨戸塗装が完了したので、次回は幕板や雨樋の上塗りに入ります。