今回は旭区鶴ヶ峰本町での施工風景をお届けします。
担当する職人は一級塗装技能士であり、塗装指導員でもある川口と星野。そして山之内の3人で屋根のケレンから下塗り、中塗り2回まで進めていきます。
こちらの屋根は断熱塗料のキルコートを使用するので、夏は涼しく冬は暖かな室内環境に貢献してくれます。
まずは屋根鉄部のケレンから。
ツルツルの下地に、あえて細かい擦り傷をつけて、下地と塗料がガッチリ密着するように下準備します。このときはハンドパッドを使用して雨押さえの研磨。他にもケレンにはマジックロンという、ナイロンたわしのようなものや、サンドペーパー、皮スキ(金ベラ)などを使用しています。
築年数が経過しているお宅の屋根では、雨押さえを留めているクギが緩んで、飛び出していることも多いです。地震による挙動や家の歪みなどが積み重なることによって、クギが抜け出てきてしまうからです。ケレン作業中には同時にクギの打ち直しもしておきます。
ケレンが終わったら、サビ止めを塗布していきます。
サビが発生することを防ぎ、傷みやすい鉄部の耐久性を高めつつ、塗料の密着度を向上させました。材料の性能が発揮されるように、たっぷり塗布していきます。屋根下にある小口も小さめの刷毛で入念に塗り込みました。
そのあとは、屋根材(スレート)にキルコート専用シーラーを塗布。ふんだんに染み込ませるように塗っていきました。屋根材の傷みが激しい場合は、内部に全て吸込まれてしまうことがあります。その場合は、表面に濡れ感が出るまで何度か塗り重ねていきます。
下塗りが完了後、キルコート主材で中塗りの1回目を行います。この主材には中空ビーズという、熱の通過を抑制する材料がびっしり含まれており、これが断熱性能の肝となっています。
塗布した屋根は、発泡スチロールを敷いたかのように熱の伝わりが抑えられるのです。真夏の直射日光が当たる屋根は、とてもではないですが素手や素足で触れることはできません。ですが、キルコートを塗布した屋根は、やけどすることなく触れられたと施工した職人たちが以前語っていました。(この様子を語る一級塗装技能士の動画)
また、キルコートは夏だけに効果を発揮するのではなく、冬は外の冷気が室内に侵入することを防ぎ、室内では暖房器具の効きを向上させてくれる働きもあるのです。
屋根の中塗りは通常1回ですが、こちらは2回重ねて断熱性能を発揮させます。
もう一度塗り重ねることで、少し下地が透けていた屋根が真っ白に覆われました。惜しみなく塗料を重ねて、より厚膜で耐久性のある塗装に仕上げていきます。