今日は、市川です。只今の現場は旭区のアパートの塗替えです。
今回は屋根から施工を行ないました。
アパート屋根の代表選手「折半屋根」です。
この「折半屋根」は鉄製のために錆びてしまっている場合が非常に多く、塗替えの下処理として「ケレン」を行ないます。ケレンとはサビ取りだけではなく、古くなった塗膜の剥がれも取り除く作業です。
今回の現場では錆びはそれほど酷くはなかったのですが、やはり旧塗膜がササクレ立っていました。塗装用語で言うトコロの「花が咲いている」といった感じでしょうか。
これを丁寧に皮スキ&ナイロンたわしで削り取っていきます。
しかし、ケレンと言っても色々な方法があるんです。
ディスクグラインダー等で機械的に削る方法や、デッキブラシ型の硬めのワイヤーブラシでケレンする方法、皮スキ(スクレーパー)で削る方法、大型の長柄の皮スキで削る方法やナイロンたわしで落とす方法などなど・・・様々な方法があります。
また、ナイロンたわしで平滑な面をワザと傷を付ける(目荒し)も同時に行なっているんです。
目荒しを行なうことで被塗面の表面積が増え、塗料の密着性が高まる他、ツルツルの被塗面に小さな傷が付き複雑な形状に変えることによって、乾燥、収縮による剥離がおき難い塗膜が形成されます。
「下地がガサガサになったら、塗装後もガサガサですか?」と聞かれることがあります。心配はいりません。目荒しの跡はサビ止め、中塗り、上塗りで消えてしまいます。また、住宅塗装では目荒し(目粗し)と言いますが、自動車やバイクなどの板金塗装用語では「足付け」と言います。
次にケレンが終わりましたら、しっかりと掃除をします。ほうきでゴミを取り、その後業務用のブロアーで細かい粉塵を一箇所に集め、最後にほうきとラスター刷毛でゴミやチリを全て除去します。
その際、雨樋の清掃も行ないます。
このケレン作業は下地作りの大切な工程です。
劣化して剥がれた塗膜や、ガサガサに浮いた錆びや、砂埃の上に塗装しても直ぐに剥がれてしまいます。「始めよければ終わりよし」とでも言いましょうか、こういった気持ちで、確実に剥がれやサビを取り除きます。
しかし見て下さい。この広さです。この広さをひとつひとつ、手で作業していきます。
ある意味ケレンは「精神鍛錬」です。同じ体勢で、足元は変則的で、腕も悲鳴を上げるキツイ作業です。身体が辛くても、手を抜けば長期耐候の塗膜にはなりません。
ただし、私達はプロです。こういった部分にプライドをかけてお客様に塗装を提供しています。
明日は天気が良ければ下塗りです。しかし冬場の屋根塗装は夜露や霜を避けるため、15時位までしか作業が出来ませんが、逆に横浜は12月が年間降水量が最も少なく、晴天率が高いんです。
これから晴れの師走は塗装屋にとってラストスパート、気合を入れて頑張ります!