手に粉がつく外壁のチョーキング。塗装したのにトラブル・・

外壁塗装の工事の中で、お客さんの一番関心事の一つが塗料の種類です。高ければよい品質の塗料、そうでなければそれなりの塗料、、まぁ一般的ですね。

もちろん塗料メーカーは、塗料開発の際、一定の試験をしパスしたものを世に送り出しているはずです。強烈な太陽の下やその環境と似たような紫外線の降り注ぐ下での試験や酸性雨にさらされるような「暴露試験」です。それはいかなる環境の条件下を想定したものだと思いますが、「生きている家」はその想定を上回ることもあります。

その一つがチョーキング。チョーキングは塗料成分中の樹脂が劣化していくと、樹脂中にあった顔料が粉化するというものです。手で触ると白い粉がついてしまうというあれです。

塗料カタログを見ると、高圧洗浄はよく行ってきれいにしてから塗装するようにという注意書きがあります。もちろんそれはごく当然の話なのですが、実はそれをきちんと行っても後からトラブルになることもあるのです。

塗膜剥離という現象です。特にサーフェーサーやフィラーなどのねっとり系の下塗り材を使った時です。以前にも話しましたがサイディングやタイル葺きなどのような割とツルツル感のある外壁に起こりやすくなります。

チョーキングに最適なサイディングの塗料とは?

これはきっとメーカーが想定してなかったのではないかと思われます。「チョーキングはきれいさっぱりと高圧洗浄をしてから行う」のが前提だからです。理屈はそうなのですが、「生きている家」に対しては、その理屈が通らないケースに出くわす場面が必ず出てくるものです。

そこをどう処理して適正に判断するかといえば、それは経験です。より多くの工事をしていけばこなしていけるようになります。仲間の職人が多くいるほどこういうトラブル的な問題は横のつながりでアドバイスを得られたりもします。

単に高額な塗料だから長持ちするということも一概に言えませんね。高級塗料を生かすも殺すもその時々の対処によって決まるということです。

一級塗装技能士のほか「ひび割れの専門家」としての樹脂接着剤施工技能士の2つの国家資格と、塗装科・職業訓練指導員の所有者でもあります。 塗装業者さんはたくさんあれど、本質的な工事品質の差は「社長が職人の業者は現場に魂が宿る」という言葉に表されるのではないかと自分を戒め修行中です。

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