もくじ
雨樋の様子がおかしいので見て欲しいと、今年塗り替え工事をされたお客様からご連絡がありました。
塗装工事後数ヶ月経って、雨樋から水が漏れていることに気がついたのだそうです。
工事で高圧洗浄をした際には、雨樋の異常を確認できなかったので、その当時はギリギリ大丈夫だったものの、何かのきっかけで(大量の砂が雨樋の中に落ちるなどして)詰まってしまったのでしょう。
今回は、そんな雨樋の詰まりの掃除と補修工事についてです。
雨樋の詰まり原因は葉っぱ
こちらのお客様宅は、竹林のそばに建っていました。
今回の雨樋の詰まりの原因は、竹の葉っぱが雨樋の中に入り込んだことだと考えられます。
実際屋上に上がって見てみると、升状になった集水口に網状の丸い蓋があるものの、落ち葉除けの機能を果たして折らず、その隙間から細い竹の葉が雨樋の中へと落ちていました。
この雨樋は、屋上の集水口から、家の内部を通って壁を突き抜け、その外壁沿いに雨樋が走っているタイプで、水漏れしているのは外壁の縦樋です。
現状は、水が雨樋に流れ込むと、壁沿いの雨樋の隙間からポタポタと水が垂れていました。
詳しくスコープで見てみますと、縦樋のL字部分に竹の葉が詰まり、そこに砂などが蓄積されたことで完全に筒の中を塞いでいます。
流れなくなった水は、縦樋の中でたまり、升部分(集水口)まで水が溢れてしまっていました。
そもそも升部分は水が通過するだけの箇所ですので、防水処理を施していません。
しかし、縦樋の中でゴミが詰まり、水が溜まっているため升部分にも水が溢れていることで、雨水がしみこむ事態に。
これではいつ雨漏りになってもおかしくありません。
しかも、先ほども説明しましたように、この雨樋は家の中を突き抜けています。
もしも、水が天井裏を通っている雨樋から漏れてしまったら・・・。より深刻な雨漏りになってしまうのです。
それらを阻止するためにも、今回は雨樋の補修工事をすることになりました。
あわせて読みたい〔破損や機能していない雨樋は雨漏りを呼ぶ危険信号〕
雨樋の詰まりを直す工事とは
今回は職人2人体制で、足場は組まずはしごをかけて作業を行うことに。
はしご作業の場合は、必ず二人一組で作業を行います。
工事の効率と、作業員の安全性を考慮してのことです。
二人体制で行った今回の工事ですが、最初に配管の中の掃除を試みました。
通常配管工事で扱う曲がる棒状の工具で、詰まっている箇所をつついて崩そうと試みたのですが、ビクともしません。
次は、雨樋のジョイント部分など外れそうなところを探します。
ところが、全て接着剤で固定されているため、外れる箇所はありませんでした。
これは、工事をする職人にも寄るのですが、ジョイント部分を外せるようビス止めし掃除やメンテナンスなどを考え脱着ができるようにするタイプの職人と、ジョイント部分が外れるようにすると台風など何かの弾みで取れて飛んでしまうこともあるため、がっちりと接着剤で固定する職人がいます。
今回は、がっちりと固定タイプでした。
そこで、雨樋をカットすることに・・・。
本当であれば、今回はカットすることなく工事をしたいと考えていました。
なぜなら、雨樋の中には綺麗とは言えない水がたっぷり詰まっているからです。
カットして雨樋を外せば、カットしたところから、外壁に泥水が飛び散り、塗って間もない壁を汚すことになります。
できるだけ注意深く外しましたが、やはり多少の飛び散りがありました。
落ちない泥汚れは、後ほど同色の塗料でレタッチします。
水を出した雨樋は、スプーンに長い柄のついたもので、砂と葉やゴミなどが凝縮された詰まりの原因の掻き出しをしました。
その後、小さめの高圧洗浄機でよく雨樋の中を洗浄し、升部分なども洗浄します。
今回の雨樋は、まだ商品としても新しく、部材を取り寄せることが出来ましたので、切ったところを部材でつなぎ合わせました。
(古い雨樋の場合は、部材がもうすでに市場にありませんので、雨樋の付け替えとなることもあります。ですので、部材で補修ができないことも。)
部材をつなぎ合わせたところをしっかりと接着して、同色の塗料で仕上げました。とはいえ全く同じ色にはなりませんので、見切りのためにマスキングをし、塗り終わったあとになじませます。
最後に升部分に落ち葉除けとしてさらに網をかぶせることにしました。
最初は、丸い蓋の上に差し込む形で取り付けようと用意したのですが、お客様のリクエストで現在着いている落ち葉除けの手前に設置をすることに。そのため、網が自重で動かないようにするために重りの取り付けをしました。
これで、雨樋の詰まりを取るための工事は終わりです。
雨樋に詰まったゴミを取り除くだけという工事ではありますが、注意深く作業しなければならない箇所が多い工事でした。
合わせて観たいYouTube〔雨樋の塗装〕
雨樋の補修工事でも家によって千差万別
今回の雨樋工事はこうして終了しましたが、雨樋が詰まった場合、どのお宅でも同じ工事ができるかというとそうではありません。
雨樋が詰まったりゆがんだりする原因は、家や家を取り巻く自然環境によってさまざまです。
また古い雨樋の場合は、雨樋全体の付け替えをしなければならないため、はしご作業では追いつかず、一部足場を組むことも。
雨樋という単純な補修箇所ではありますが、それぞれの家に合った補修方法が必要です。
今回ご紹介したのは、あくまでも一例ではありますが、塗装職人ではお客様宅の症状にあった補修工事を行います。
最善の方法でよい結果を得られるように、丁寧な事前調査と工事をするのが弊社のモットーです。
雨樋など、小さな箇所でも水が漏れているなどありましたらご相談下さい。
お客様宅にあった方法で、工事を致します。
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