5年前に補修したクラックの再補修工事

今回は横浜南区のお客様宅の補修工事についてお話しいたします。
こちらの家は木造で、外壁のモルタル壁に大きなクラックがありました。

クラックの補修には、さまざまなアプローチがあります。今回は通常の補修工事以外に、部
分的に補修工事をしてサイディングをかぶせるという工事をしましたのでご覧下さい。

必要な部分のみの補修する工事で費用を抑える

こちらのお宅では、5年前に他社で塗装工事をしたものの、モルタル壁にクラックが入って
しまい、その補修工事について依頼がありました。

最初は、何社かお見積もりを出して入らしたそうなのですが、弊社の工法と部分補修にした
ことで値段が少し抑えることができたことで、弊社に決めて下さったそうです。
上記の写真のように、縦と横に入ったクラックは、5年前に補修がしてありました。

しかし、補修跡が崩れてさらにクラックが広がってきていたのです。
今回は、補修工事をして水の侵入を防ぐ処理をし、その後クラックの上を覆うようにサイデ
ィングを部分的に貼ります。

他社からの見積もりでは、サイディングで家全体を覆うことを提案されたそうですが、それ
だと2階部分もすべてサイディングを張り込むため、足場を組む必要が出ることに。

このクラックの補修は、足場がなくても可能ですので、部分サイディングですと、足場代の
費用も抑えることが可能です。
もちろん他にもクラック補修の方法はありますが、それは次の章でご紹介したいと思います。

クラックによる壁の落下を防ぐ補修工事

では、前回補修してあったクラックの再補修工事についてです。
まずは縦のクラックです。補修剤を取り除くと大きくクラックが空いていました。

このクラックは地震などが理由なのか、それとも別の理由があるのか…原因が不明なため、
あらゆる理由を考えて補修工事する必要があります。
幅が広いクラックが入ってしまったため、壁自体が下に下がってしまっていました。
そこで、下地の木材があるところにビスを打って、これ以上壁が落ちないように固定します。


補修方法として、クラックが入っている部分の壁を取り払って新しくモルタルを左官職人に
塗り込んでもらう…という手もあるのですが、今回の補修箇所は1階部分です。
その場合、1階のモルタルを取り払った影響で2階部分の壁が下にずれてしまったり、最悪
力の分散具合によっては、2階に新たなクラックが入ってしまったりすることもあります。
そうしたことを考えると、今回は壁を取り払ってモルタルを塗り直す…という方法は採用で
きませんでした。
そのため、再補修工事をしてサイディングで覆う工事となったのです。

併せて観たいYouTube エアー圧力で奥まで埋まる外壁クラック補修

横に走っているクラックの補修工事

さらに横に走っているクラックも、以前の補修剤を取り除きました。壁がずれて下がってし
まっているところは縦に入っているクラックと同様に、これ以上下がらないようにビス留め
をします。

しかし、これだけ大きいクラックですと、補修しても壁の重さで下がってくることも予想さ
れるため、ビス留めだけでは壁が下がりを止められないかもしれません。

そこで、壁の下にはコンクリートでできた平板を支えとして入れ、平板が地面と接する面に
はコンクリートを流し、平板が地面に沈まないでしっかりと地面からも支えられるようにし
ました。

補強が終わったら、『UカットONE』という補修剤をたっぷりと幅広に塗ります。

ビス部分にも、雨水が入りこまぬように補修剤を奥まで塗り込み、完成です。

後からサイディングで覆うので、元の壁は見栄えが悪くなりますが、補修剤はたっぷりと幅
広に打ちます。

さらに金物でクラックの上下をつなぐために、貼り付けを。クラックの下部分の壁が、外側
に倒れないように、金属の板で縫い留めするための補強です。

併せて観たいYouTube  外壁クラック補修の技

 

すべて貼り付けると、この写真のようになります。

さらに、サイディングを張り込むための下地として木の板の貼り付けを。

防水シートを貼り、雨仕舞いもしっかりとします。

サイディングとモルタル壁の間に水が入りこんでしまうと、新たな雨漏りの原因となってし
まうため、ここは慎重な作業が必要です。防水シートで湿気対策もおこないます。

今回は金属のサイディングを使用しました。

普段使用するのは窯業系サイディングといって、窯で熱を加えて固めたサイディングなので
すが、これですと重量があります。

今回はモルタル壁をカバーするのが目的ですので、できるだけ軽い素材のものを選びたく、
金属サイディングにしました。
金属自体は薄く、裏に断熱材があるため保温効果にすぐれ、建物に負担をかけません。
こうして、再補修したクラックをサイディングで覆い完成となります。

ここまでは、一度補修したにもかかわらず…さらに大きくクラックが広がってしまっ
た箇所の補修工事についてご紹介しました。

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お家に合った爆裂補修工事やクラック補修工事とは

ここからは、通常のクラック補修についてです。
クラックは、0.3ミリ以上のひび割れを『クラック』、0.3ミリ以下のひび割れを『ヘアーク
ラック』と呼びます。

0.3ミリ以下のクラックはそこまで問題はないとされていますが、0.3ミリ以上のクラックは
建物の構造に影響を及ぼすことが…。
そこで、このブログではそうした通常のクラック補修工事についてお話し致します。

通常のクラック補修工事

まずはクラックの周りにテープを貼って、補修剤を注入します。

補修剤だけですと、直射日光に当たると補修剤が劣化して不具合がでるため、補修したクラ
ックの部分に、塗装の三工程である下塗り、中塗り、上塗りを行いました。

通常のクラックはサイディングでは覆わず、表面に塗装でコーティングすることで仕上げま
す。

さらに『ヘアークラック』と呼ばれる細かいクラックもありましたので、小さい注射器のよ
うになっているヘアークラック専用のスムースエポを使用し、これ以上クラックが広がらぬ
よう補修しました。これで補修工事は完成です。

クラックができたらできるだけ早く工事をするのが家を持たせる秘訣

モルタル外壁の場合、何十年かたてばクラックができるのは当たり前です。
クラックが入ったことで、雨漏りになるのではないかとご不安になると思いますが、しっか
りと補修すれば家は持ちます。

併せて観たいYouTube 塗装職人のひびを補修する手

クラックの原因はさまざまです。地震や、木材の伸縮、家の周りを囲む道路からの振動、さ
らには家を建てたときからモルタルを支えられない構造になっている場合などがあります。
一般的に、ヘアークラックはそこまで建物に影響はないとされていますが、一般の方が外壁
のひび割れを見て、ヘアークラックか通常のクラックなのかを判別するのは難しいでしょう。

わずか0.3ミリですので、ぱっと見はヘアークラックだと思っても、実際は通常のクラック
ということがあります。
上記でもお話ししましたが、木造の場合クラックを放置すると構造を痛めますので、何か壁
に異変を感じたら、信頼できる業者に相談してみてください。

このお宅も、本来であればここまで壁が落ちてくるということは無いはずでした。

住んでいる方からすれば、こんな大きなクラックが入り、壁が下に落ちてきていれば心配だ
ったと思います。

今回は、クラック、家の外壁の状態、家全体の状態を考えて部分補修を致しました。
もちろん費用面もありましたが、家にとって一番負担にならない方法を考えた結果がこの工事です。クラックは、雨漏りなどに直結し家をそして構造自体を傷めます。

もしも、こちらのブログを読んでいる方で、家のクラックについて心配がありましたらご連
絡ください。
こちらのお客様宅のように、最良の補修方法をご提案致します。

建築施工主任 家のことを何でも出来るようにと、20代の時に長野県の木造建築の親方に弟子入りして大工の道へ進む。30代の時にはキャパシティを拡げるために農業や造園業にも従事。造園業では外構工事も多く手掛け、家に関するエキスパートとして活躍。見えるところだけではなく見えないところも手を抜かずにやるのがモットー。妻と子供2人の 4人家族。

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