今回は川崎市宮前区で行った施工風景をお届けします。
職人は一級塗装技能士の星野が担当しました。
前回は水洗いをして家の汚れをきれいに洗い落したので、本日は鉄部や付帯部の施工に入ります。
まずはシャッターボックスのケレンから。
ナイロンたわしで下地を擦り、汚れを取り除きながら、細かな傷をつけていきます。
塗装するところになぜ傷をつけるのでしょうか。それは、フラットな鉄部にザラつきを作ると、塗料の引っかかりができて塗膜が剥がれにくくなるからなのです。塗膜が紫外線や風雨から鉄部を守ってくれるので、耐久度が高く、しっかり密着した塗膜にする必要があります。
塗膜が傷んで剥がれかかっていたり、サビが発生している場合はここで、入念に削り落しておきます。微細な傷をつけるのみの場合、「目荒し」とも専門用語で呼んでいます。
ケレン後は、赤錆び色のサビ止めをたっぷり塗布していきます。
この材料を塗ることで、サビの発生を予防し、ともすると傷みがちな鉄部の耐久性をしっかり強化します。サビ止めの性能を存分に発揮させるため、厚みをつけるようにふんだんに重ねて仕上げました。塗るときは刷毛を軽く持って横に滑らせていくと、ハケ目を目立たせずに仕上げることができます。
ベランダ手摺の笠木部分や水切りも同様にケレンとサビ止めを塗布しています。
水切りは外壁と隣接しているので、刷毛の向きを変えながら壁に付着させないように塗り込みました。
ベランダ内の鉄部の下塗りが完了した状態です。
今回、鉄部の仕上げの色は、塗り替え前と同様にチョコレート色にするので、サビ止めは赤錆び色を選択しています。上塗りの色とあまり差異が大きくない色を使用することが多いのです。
次は雨樋の施工です。
雨樋も下地がツルツルとしているので、まずはたわしで擦って傷をつけることから開始。表面に凹凸模様が少しついているので、そこも合わせて研磨しています。
次は塗料の密着度をさらにアップさせるため、プライマーを塗布しました。
この透明な材料が接着剤の役割を果たし、剥がれにくい塗膜を形成します。塗りムラや塗り落しがないように確認しながら、全体にしっかり塗り込みました。
その後、破風の下地処理を行いました。大きなクラック(ひび割れ)が入っていたので、専用の補修材を充てんして皮スキで平らにならしておきます。凹凸があると塗装後も表面に出てしまうので、なるべく平滑に仕上げておきます。
微細なひびであれば、塗料で埋めることも可能ですが、大きなものになってきますと、塗り替え前にしっかり修復させることが大事になってきます。下地処理を入念に行って厚膜に塗装することで、傷みの進行を抑えて破風を長持ちさせます。