もくじ
いつもは、塗装工事内容について書いていますが、先日担当したお客様宅で、少し珍しい出来事がありましたのでお話ししたいと思います。
その出来事とは、足場にキジバトの巣ができたのです。
これまでツバメが毎年飛来し巣を作るお宅や、すでに鳥の巣があるお宅などを担当したことはありましたが、工事の途中に巣ができたのは初めてでした。
そんな鳥の巣と、築30年のお宅の塗装工事についてお話ししたいと思います。
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築30年のお宅の外壁塗装工事
今回のご依頼は、築30年の古いお宅にて行う外壁塗装工事でした。
築30年となると、家としては『木』が中心となり、塗装工事はいつもよりも手がかかります。
なぜなら補修部分が多く、古くなった木は塗装してもすぐに塗料が剥がれてきてしまうため、より慎重な工事が求められるからです。箇所によっては、塗装工事の補償はつきません。
お客様宅の場合、壁自体はモルタルでしたので、外壁塗装自体はそこまで問題がなかったのですが、雨戸の戸袋が木製だったため、こちらの塗装については3つほど提案をし、お客様に工事方法を選んで頂きました。
お客様宅の戸袋は鎧貼りになっており、塗装するにもかなり作業が複雑になります。
それらを踏まえて塗装職人から提案したのは、以下の3つです。
一つ目は、現状のまま塗装が剥がれるのを覚悟で今の戸袋を塗装する。
この場合、通常塗装工事の際につけることのできる補償はつきません。
二つ目は、傷んでいる戸袋を撤去し、大工に新しい鎧貼りの戸袋を作り直してもらう。
これは、ある意味一番現状を新品同様状態に戻すことができ、新しく戸袋を作り直すので塗装も可能です。ただし、新築時ならまだしも鎧貼り戸袋の単独工事となると、かなりの費用がかかります。
そのため、あまり現実的とは言えません。
三つ目は、現在の戸袋の上からサイディングを貼り、塗装をするという方法です。
これであれば、サイディングの貼り込みと塗装だけなので、補強もできますし、戸袋の取り外しなど大がかりな工事はありません。そのため、工事期間内に並行して工事を進めることが可能です。
今回は、この三つ目の方法をお客様はお選びになりました。
こちらが施工後の写真です。
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そしてその後、この戸袋工事をしているそばで意外なことが起こったのです。
足場にできたのはキジバトの巣?
お客様宅の工事期間は、足場を建ててから解体するまで期間は3週間ほどだったのですが、なんとその間に、キジバトが足場に巣を作ったのです。
写真の奥に、まだ塗装前の鎧貼りの戸袋が見えますでしょうか。
工事中の職人も行き交っている足場なのに…、本当に驚きました。
街中や住宅地で見かける鳩には、二種類いることを皆様ご存じでしょうか。
まずは街中で良く見かける、土鳩です。この鳩は群れになって街中でビルの隙間などに巣を作ります。そしてもう一種類は、キジバトと呼ばれる基本つがいや一羽などで行動し、あまり群れにならない鳩です。通常は木の上などに巣を作りますが、ベランダなどにも巣を作ることがあるのだそうです。
今回、足場に巣を作ったのはこのキジバトでした。
この記事を書くにあたって少しキジバトについて調べたのですが、キジバトは夫婦で協力しながら卵を孵化させるため、家族の繁栄、夫婦円満などと結びつけ、キジバトが軒下に巣を作ると幸運を運んでくると言われているのだそうです。
施主様に足場に鳩が巣を作り始めたことをご報告すると、工事が終わったら巣を移したいとのことでした。
ですので、工事が終わるまでは巣をそのままにし、工事終了とともに足場から戸袋のある窓上に移動を。
元来キジバトはあまり人慣れしない鳩なので、なぜ職人が行き交う足場に巣を作ったのか…本当に不思議です。
しかし、工事を進める間も逃げることなく、完工するまで巣はそのままでしたので、無事巣を移動させることができました。
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しっかりと安定した足場だからこそ安全な工事を
塗装職人の足場は、基本的にくさび緊結足場を建てて工事に望みます。
非常に安定した足場のため、職人は足もとをそこまで気にすること無く工事をすることが可能です。(こうした安定した足場だったので、巣ができたのかもしれません)
このくさび緊結足場は、足場を建てその足場に歩板をハンマーで叩いて連結させるため、歩板ががっちりと足場に固定され、作業がしやすい足場ではあるのですが、建てる際には大きな音がでます。
そのため、足場を建てる前には近隣の方へご挨拶がかかせません。
こうしたご挨拶は、塗装職人として必ず行う事前準備の一つです。
業者によっては、今回のお客様のようにお隣の敷地などに越境すること無く足場を建てられる家でお隣との距離が少しでもあれば、とくに挨拶はしなくても良いという考えのところもありますが、塗装職人は敷地の利用の有無だけではなく、工事で出る音などもご近所へ配慮すべきことの一つと考えています。
安全な足場を使用するために、これからも施主様宅はもちろんのことですが、ご近所へも気配りのできる塗装会社でありたいと思うのです。
お客様のご要望に最大限寄り添う工事を
塗装職人では、丁寧な塗装工事をモットーとしております。
それはなにも、職人の技術だけではなく、お客様への対応やご説明、近隣の方への挨拶、丁寧な工事をするためのしっかりと動きやすい足場建てなど、全てにおいてです。
これからも、工事の事前準備から足場を撤去して完工をするまで、気を配って工事をしていきたいと思います。
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