スレート屋根の塗装と補修工事と注意点

外壁塗装の工事をする際に、壁だけの塗装をする方もいらっしゃいますが、多くの方は足場をせっかく建てるのだからと、屋根の補修も一緒に行います。
屋根の補修工事には3種類あります。


まず屋根の状態がそこまで悪くないようであれば、屋根塗装。
屋根が塗装できない状態の場合は、葺き替え、またはカバー工法の三種類です。

まずカバー工法とは既存の屋根の上からかぶせる工法です。
今回は屋根塗装の補修についてお話ししますので、カバー工法はこちらの記事に詳しく話していますのでご覧ください。

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今回は、そんな屋根補修工事の3種類の中から屋根塗装について書きたいと思います。

屋根塗装の前にする補修工事

屋根塗装工事に入る前に、補修工事をします。
まずは、棟板金部分の補修です。

棟板金もまた、浮きの度合いによって工事は異なります。
釘の浮きがひどい場合は棟板金の交換ですが、多少の浮きであれば釘をさらに打ち込んで押さえ込みを。

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もしくは釘を打つのではなく、この写真のようにビス止めする場合もあります。
釘やビスは、棟板金の真上からは打ちません。なぜなら、真上から釘などを打ってしまうと穴を開けることとなってしまうため、雨漏りの原因となります。そのため、棟板金の釘やビスは必ず横から止めるように打つのです。
横から打てば、上から降る雨に対応できます。
棟板金の浮きを釘などで抑えた後は、打った場所や棟板金のつなぎ目などにシール打ちをし、雨水が入らないようにするのです。

シール処理をすると、こんな感じになります。釘の上にキスチョコのようにシールが被せてあるのがお分かり頂けますでしょうか?

次に割れたスレート屋根の補修です。
スレートの割れが広範囲でひどい場合は補修工事をできませんが、スレート屋根の割れが軽微な場合は補修が可能となります。

この写真のような、屋根の鼻先の場合はあまり屋根自体の雨漏りなどに影響が出ないため、シール剤で接着を。

 

他にスレート屋根を直す専用の補修剤『タスマジック』を使用する方法があります。

タスマジックは、補修剤と黄色の板がセットになっていて、タスマジックをスレート屋根に塗る際には、必ずこの黄色い板を屋根に差し込むのです。


なぜならば、タスマジックの補修剤は非常にさらさらした液剤で浸透性が良いため、下に重なっている屋根にまで浸透してしまい、くっついて屋根と屋根の隙間を塞いでしまいます。
それを避けるために、補修剤のストッパーとしてこの黄色い板をつかうのです。
注入して、固めて…を3回ほど繰り返し、完成させます。
メーカーの触れ込みとしては、元のスレート屋根の強度よりも2倍強度がでるとのことです。

タスマジックで補修して、塗装をするとこのような仕上がりになります。

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スレート屋根の補修

他には屋根に天窓などが付いている場合、天窓の周りをきちんとシールで補強を。
天窓は、窓枠と屋根のシーリングが痩せてくると雨漏りを引き起こします。

そのため、塗装前にしっかりとシールを打つことで、雨水の浸入を防ぐのです。

屋根塗装の注意点

スレート屋根の塗装工事の際、気をつけなければならないのは『縁切り』です。
『縁切り』とは、屋根塗装をした際に屋根と屋根の重なり部分まで塞いでしまうことがあり、その塞いでしまった瓦と瓦の隙間に切り込みを入れて雨水の排出口を作ることを言います。
通常通りの希釈律で塗料を薄めても、塗料によっては屋根と屋根の隙間を塞いでしまうことがあるのです。


実は屋根というのは、棟板金の隙間や風による巻き込みなどで、水が屋根内部に入り混んでしまうため、隙間から雨水を排出させなければなりません。

また、天井裏にたまった湿気なども、この屋根瓦の隙間から排出させます。
よくホームセンターなどで、屋根用塗料を購入してDIYされる方もいらっしゃるのですが、ほとんどの方は『縁切り』をご存じないため、スレート屋根の隙間を誤って塞いでしまい、水の逃げ道が無くなり、雨漏り原因を作ってしまうことがあるのです。
プロはこのようなことにならないために、タスペーサーという屋根の隙間を固定する器具などを使用して、隙間を保ちます。
他にも、タスペーサーを利用せず、皮すきやカッターなどを使って屋根を全て『縁切り』することも可能です。

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屋根塗装を10年一度オススメするワケとは

屋根塗装は、カバー工法や葺き替え工事に比べれば非常に費用が安い工事といえます。

しかしお客様の多くは、屋根上を見る機会があまりないため、屋根の補修は雨漏りが起きてから考えることが多いようです。そのため、雨漏りが起きた時点では、すでに屋根塗装が出来ない状態であることも。
外壁塗装の目安は10年と言いますが、屋根も10年くらいが目安となります。

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だからこそ、なじみの塗装業者などにチェックをしてもらい、的確な屋根塗装工事をしましょう。
そうすることで、家の築年数40年をトータルで考えたときに、一番安いメンテナンスで家を持たせることができます。

屋根がひどい状態になってからでは、屋根塗装は選べません。
是非とも選択肢のある内に、屋根の塗装工事をご検討ください。

建築施工主任 家のことを何でも出来るようにと、20代の時に長野県の木造建築の親方に弟子入りして大工の道へ進む。30代の時にはキャパシティを拡げるために農業や造園業にも従事。造園業では外構工事も多く手掛け、家に関するエキスパートとして活躍。見えるところだけではなく見えないところも手を抜かずにやるのがモットー。妻と子供2人の 4人家族。

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