契約や工事を急ぐ施工会社には要注意

先日、工事に伺った斜め前のお宅が、足場を建てたまま工事がストップしてしまっている…ということがありました。
なんでも、工事の途中で依頼していた会社が倒産してしまい、ある日突然職人が誰も来なくなってしまったのだそうです。

実は、こうした業者の倒産が今多くなっています。
今回は、なぜ業者が倒産してしまうのか…。そして職人の質もしっかりと見極めれば、お客様の家を守るためのしっかりとした工事ができます。

建築業界の疲弊

コロナから約4年が経ち、まだいろいろと不自由がありますが、ようやく日常がもどりつつあると感じている人も多いでしょう。
塗装会社をはじめとして、建築業界もこのコロナ期には大いに苦しみました。


幸いにも弊社はなんとかその時期を乗り切りましたが、業者によっては工事時期が先延ばしになったことで経営が苦しくなってしまったところもあったのです。
実は、その時期に国から『コロナ感染症特別貸し付け』というものがあり、多くの会社が借り入れをしてその時期をしのいでいました。しかし、この貸し付けで延命したはずの会社が、今になって結局はその後なかなか業務がうまく回らず倒産してしまっているのです。

そうした倒産してしまう業者の中には、前金だけを施主から取り、そのまま会社を潰してしまうところも。
どうしたら、そうした倒産に巻き込まれることなく工事を依頼できるのかお話しいたします。

工事費が安い時には要注意

 

塗装工事というのは、1戸建ての家で補修工事、塗装工事を行った場合150万円くらいからの金額が多いと言えます。
もちろん補修工事の規模や家の大きさ、使われている素材などでも値段は変わってきますが、これらの工事費用が極端に安い場合には注意が必要です。
工事には、『安くて良い工事』というものは存在しません。
というのも、工事費用の多くの部分を人件費が占めているからです。

塗料や建材は、正直に言いますと…そこまで値段に大きな差はありません。材料の原産国の問題で値段が高騰することはあっても、塗料や建材が急に安くなる…ということは無いからです。
もちろん遮熱塗料や、なにかしらの効果に特化した塗料であれば、多少の金額差は出ますがその塗料そのものの金額差というよりは、塗料を何缶使ったかの金額差の方が大きいでしょう。

塗料費用を安くするために缶数を少なくするのであれば、水でシャバシャバに希釈して使用缶数を少なく使えば値段を抑えることができます。
しかも塗った直後は、薄めたかどうかはプロが見ても分からない仕上がりになるのです……。

そのため、このからくりをご存じないお客様は、見た目が変わらず安く塗れた印象を持ちますが、実際は薄めた塗料では十分な塗膜を形成できないため、10年持つと言われた塗装が3~4年しか持たないということも。
これでは、安くなっても数年で塗り替えしなければならず、トータルでは安くなりません。

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そして一番工事費を大きく左右するのは材料費よりも、人件費です。
人件費は、職人に作業をしてもらうための費用となりますが、ここに大きな落とし穴があります。
職人には、技術力の高い職人と技術力がそこまで高くない職人がいるということです。

普通に考えて、どちらが安い金額で雇える職人かは一目瞭然かと思います。
しかも、塗装工事とは技術を持った職人はもちろんですが、さらにその職人の根気も必要となりますし、技術において得意不得意もあるのです。
つまり、人件費を削るということは良い技術の塗装工事は期待できないことになります。

塗装というのは、どこまで細部にこだわれるかということで工事の仕上がりに大きな違いがあり、塗料を何回塗るのかということも重要です。
つまり、安い工事というのは必ず人件費を抑えているため、満足のいく料金がもらえない職人は、全力で仕事をしない可能性があります。

考えてみてください。
通常であれば8時間働いて一万円の仕事が、5000円だと言われたら…働く時間を4時間にするか、8時間休みながら労力を減らして働きますよね?
得られるお金が減ったのに、いつもよりも良い仕事をする…という人はいません。

なかなか塗装工事費用の表面に人件費のことは見えてきませんが、極端に安い工事はできるだけ避けると良いでしょう。
安い工事は、安物買いの銭失いと同様です。

続いては、トラブルに陥りやすい業者についてお話したいと思います。
工事を始めたものの、途中から業者が来なくなってしまったり、10年持つ塗装を言われたのに、2〜3年で水が染みこむようになり業者に連絡したら倒産していて保障もきかなかったりなど。
そんな業者に依頼することがないように、見極めるポイントについてもお話しいたします。

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契約を急ぐ業者に要注意

 

さて、もっともトラブルに陥りやすい業者とは、どんな業者でしょう。
それは、契約を急ぐ業者です。

会社が立ちゆかないことが分かっていて契約を取り、前金を受け取ってそのまま倒産する業者があります。
「足場が近所にあるうちに、契約してくれれば足場をそのまま持ってきて足場代を安くしますよ」「実は工事が一つ飛んでしまって、その職人を遊ばせるのも良くないでの今契約してくれるなら安くしますよ」などなど。

契約を早めるためのあおり文句はいろいろです。
塗装職人の場合は、お見積書を渡して1ヶ月ほど検討のために時間を使って頂くこともあります。何百万もする工事なので、お客様が納得がいくまで検討してほしいと思うからです。

もしも、契約時に早く決断するように迫られる場合は、一旦落ち着いて考えてみましょう。
足場が近くの現場にあるからといって、解体せずに持ち運ぶことはできませんし、足場の解体と建設がある時点で、足場代はかかります。
また、一つ工事がドタキャンされたから、その職人やチームをそのまま使える…という状況は、良く考えればありえません。
なぜなら、それぞれの家によって家の状況は違いますし、シール工事、屋根の板金工事、塗装工事、補修工事、防水工事などすべての状態が合致する家というのはまずありえないのです。

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これらの知識を心の隅に置いておくだけでも、こうした業者から逃れるすべとなります。
契約をすぐ決断するように業者から迫られたら、是非一度落ち着いて考えてみてください。

トラブルに巻き込まれないための業者の選び方

塗装工事をする際に、トラブルに巻き込まれないためのポイントはいくつかあります。

一つ目は、先ほど話しました契約を焦る会社とは契約しないこと。

二つ目は、極端な安い金額を提示してくるところはなるべく避ける。(職人の質が落ち、細部まで行き届かない工事になることがあるため。)

三つ目は、創業の長い会社、職人の質がわかる会社を選ぶこと。(創業が長いということは、トラブルが起こった際も責任を取ってきた会社ということが分かるから。)

これら三つに気をつけるだけでも、工事のトラブルを避けることが可能です。
つい目先の安さにつられて、その安さがどこから来ているのか見えなくなってしまうことがあると思います。

塗料や足場の建材、屋根材などの値段が大幅にディスカウントされることはありません。
費用を削るとすれば、人件費や作業の手間部分なのです。
3回塗りのところを2回塗りにしてみたり、薄めた塗料で時間を短縮して塗ってみたり。

くれぐれも工事途中に倒産する会社を選ばぬように、3つのポイントに気をつけて選んでみてください。
職人の質もしっかりと見極めれば、お客様の家を守るためのしっかりとした工事ができます。

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