シャッターの洗浄工事 結果の見えない工事の対処方法とは

先日建物の全体改修をご依頼頂いたお客様から、追加工事の依頼を受け、店舗のシャッターの洗浄とコーティングを致しました。
今回夜間作業をすることになったのですが、その経緯と洗浄工事の仕上がりが予想できない難しさや、さらに工事の質にお客様との関係がいかに深く関わっているかについてお話ししたいと思います。

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シャッターの洗浄とコーティング 夜間作業の難しさ

1階が店舗で、2階部分に戸建てが建っているこちらの建物の大改修工事もいよいよ佳境となり、お客様から追加工事のご依頼を頂きました。
1階店舗部分のシャッターを綺麗にしたいとのお客様リクエストから、高圧洗浄とコーティングをすることになったのです。
こちらの店舗の皆様には、今回の塗装工事でも大変ご協力を頂いておりましたので、シャッター塗装においても、店舗の皆様にご迷惑をかけない時間はないかと考えました。
そこで、店舗が営業を終えた夜に行うことに。

とはいえ、夜に工事を行うのはもろもろの不安要素があります。


例えば工事の音です。
周りは住宅街でしたので、深夜の作業音、そして職人達の話し声などがご迷惑になることも。
さらには、ライトの光……。

作業をするためには、昼間同様の灯りがいりますので、かなり強いライトをつけます。
その明るさから、苦情が来ることもあるのです。
幸いにも周辺住民の方から、夜間作業へのクレームはなかったのでスムーズに工事は終了しました。
今回夜間作業になったのは、入居者様である店舗さんの営業を考えれば、いたしかたない工事時間ではありましたが、これは塗装職人の工事の中でもイレギュラーといえます。
お客様のニーズに合わせ、入居者の方に迷惑をかけないラインを柔軟に考えた結果、このような方法となったのです。

高圧洗浄のお客様が思う仕上がり具合とのギャップ

シャッターの高圧洗浄とコーティングですが、実はこの工事は結果が見えにくい工事でもあります。
通常の塗装工事は、「仕上がりはこんなイメージになります」とお伝えすることができるのですが、シャッターなどの金属部分の洗浄とコーティングに関しては、はっきりとした完成イメージをお伝えすることができません。
外気に晒された汚れというのは、さまざまな汚れが複合しているため、落ちないものもありますし、職人が目指す洗浄は、あくまでも塗料が密着するための下準備であって、見た目の綺麗さではないのです。
ですので、そうした仕上がり予想にお客様とズレが出てきます。


多くのお客様は、高圧洗浄=ピカピカの仕上がりを想定されているようです。
ちょうど自動車の板金工事をすると、表面がピカピカになって仕上がりますよね。それと似たようなイメージをされるのではないでしょうか。
しかし、実際の洗浄後の仕上がりというのは、塗装できる状態にはなっているものの、汚れ跡が消えていないことも…。
さらに、洗浄工事というのは一見すると1日でパッと終わってしまう工事ですので、簡単に洗っているように見られることもあります。
この高圧洗浄は技術があるからこそ、迅速かつ丁寧にできるのですが、それが余計に誤解を招く結果に。
以前、高圧洗浄のご依頼があり洗浄したところ汚れが残ったことがありました。
その後塗装工事をしたのですが、お客様は「絶対にこの汚れは取れたはずだ」とおっしゃり、僕は職人がきっちり仕事をして取れなかった汚れなので、「とれませんでした」としかお伝えすることができなかったのです。
するとお客様はカッターでその汚れをはがそうとされて塗装面を削り、汚れを取ろうとしました。ところが、やはり汚れを取ることはできず、「やっぱり取れないんだね。あ、これ塗っといて貰える?」と……。
しかし、その壁面は5回塗りをしていましたので、その剥がれた部分だけ塗るということができませんでした。
高圧洗浄を迅速にやったがために、落とせないとお伝えしても信じて頂けなかったのだそうです…。

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高圧洗浄では落ちすぎてしまうことも

先ほどは高圧洗浄をすることで、落ちない汚れについてお話ししましたが、逆に汚れが取れすぎてしまうこともあるのです。
今回のシャッターなどもそうですが、シャッターというのはもともと施工した時に、一枚薄い膜がかかっています。
この膜が高圧洗浄することで、ところどころ剥げてしまうのです。
汚れと一緒に膜が剥がれてしまうと、表面はボコボコした状態になってしまいます。
汚れが取れたことで「綺麗になった」と思うのか、それとも表面がボコボコしたことで汚くなったと思うのか、こちらはお客様の受け取り方次第です。
だからこそ、事前の説明でしっかりとリスクについてお伝えすることが、何よりも大切といえます。

工事費と工事内容の関係

良質な工事はもちろん業者の技術や工事の工程などが大切ではありますが、もっとも大切なのはお客様との意思の疎通です。
やはり、弊社の工事をはなから「ぼったくりだろう」と思っていらっしゃるお客様ですと、工事の内容や質についてお伝えしようにも伝わらないことが多くあります。
例えば…とあるお客様に、鉄部の高圧洗浄で元の膜が剥がれてしまい、表面がデコボコしてしまうことがあるとお話ししました。
すると、それならば全部膜を剥がして、綺麗な状態にしてほしいとお客様からリクエストが。
お客様の想定では、すこし研磨工事を追加するだけなので金額の追加もそこまでではないだろうと思っていらっしゃったのでしょう。
研磨工事を追加するための金額を聞いて、大変驚いていらっしゃいました。
実は、この表面を削って面をなめらかにする工事は、工事費よりも養生に費用がかかります。研磨する際に、鉄粉が周辺に飛び散るからです。
空気中に鉄粉が舞いますと、近所の方へ被害がでます。
車の研磨であれば、板金工場など、そうした鉄粉が散らないような密封した作業部屋で行えば済む話ですが、建物に施工されているシャッターの場合は動かすことができません。
そのため鉄粉が周辺に飛び散らぬように、かなり頑丈な養生をする必要があるのです。
そうなりますと、養生するだけで驚くような金額がかかることに。
工事の内容や内訳をお伝えしても、理解して頂くことができず最後にはこんなことをおっしゃる方もいらっしゃいます。
「他の業者ではもっと安い金額だったけど…」と…。
よくよく話をお聞きすると、工事の内容がぜんぜん違うのです。
どの業者もそうですが、利益を減らしてまでサービスをするということはありません。
それでは、会社がつぶれてしまいますし、仕事としても生活としても成り立たないからです。
だからこそ、安い業者は安いなりの工事をしますし、弊社のような業者はきちんと技術と工事内容に見合った費用となります。
費用と工事内容には理由があるのです。

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思い切った工事にはお客様のご協力が必須

今回、追加工事をご依頼いただき、シャッター用に薬品を使って洗浄し、シールやガムテープの痕などもしっかりと落としました。多少以前の膜が剥がれ表面がデコボコした箇所もありましたが、金属磨き剤であるコーティング剤で綺麗に仕上げることができたのです。


写真ではあまりよく見えませんが、実際かなり表面が綺麗になっています。

こちらの建物の塗装工事は、前回のブログでもお話ししましたが、お客様を始め店舗の方々からも非常にご協力いただけました。
それゆえ、お客様のご希望をお聞きした上で、こうした夜間工事に踏み切ることができたのです。
シャッターの洗浄とコーティングは、仕上がり具合が不透明な工事ですが、お客様の理解があることで、思い切った工事をすることができます。
思い切った工事ができれば、職人はよい結果になるよう最大限の努力をするのです。
お客様の理解がありませんと、できるだけトラブルが起こらないように消極的な工事しかできません。
しかし、お客様が説明をしっかりと理解して頂き、向き合って頂ければ、塗装工事はより良い結果を求めることができるのです。
今回は夜間作業をしたことで、店舗への迷惑をかけることなくでき、近隣のかたからもクレームがなく、工事も予想以上の仕上がりとなりました。
これから弊社へのご依頼を考えているお客様とも、こうした意思の疎通ある工事ができることを願っております。
そうすることで、より良質で職人のベストを尽くした塗装工事ができるでしょう。

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若い時から大手の大規模改修工事に携わり、官公庁の仕事も多くこなしてきました。知識は当然のこと現場も正しい仕事ができて当たり前です。常にお客様の立場に回り物事を考えて行動しています。 漏水対策も得意分野で2人の子供を抱えて毎日仕事に励んでいます。防水施工技能士。

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