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屋根業者から欠陥があるかのように指摘されたスレート屋根を調査診断しました。

今日もお見積りのご依頼があった横浜市内のお宅の見積りに伺いました。

ご主人は、他業種の営業に「屋根の状態が、もう限界」と指摘を受けてとても不安になり、弊社に確認のためのご依頼をされたのでした。

実は近年、リフォーム業者の訪問販売による詐欺まがいの屋根の調査診断や契約により、トラブルの相談が増えているのをご存知でしょうか(国民生活センターのサイトはこちら)。

もちろん全てが悪徳の業者であるとは言えませんが、残念ながらそういった業者があって、被害者が増えているのは事実です。

この記事では、他業者に「限界」と言われた屋根がプロの目から見たらどのような状態であったのか、実際にあった例としてご紹介いたします。

 

目次

国民生活センターに寄せられている手口

実例の前に、業者の手口について紹介します。

この手口は国民生活センターによると、

  • 訪問販売によるリフォーム工事
  • 点検商法

と言われている手口です。

突然訪問してきて「近くで工事をしている」「外から見たら屋根に劣化が見られます」などと屋根の点検を申し出て、屋根に登ります。そして瓦が割れているなどと不安を煽って屋根工事の契約を迫るものです。

屋根は外から見えるので綻びを見つけやすいため、飛び込み営業がしやすいのは確か。屋根に登られて専門家っぽい姿勢で不安を煽られてしまうと、一般の方は心配になってしまいますよね。

 

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今回のご主人も「屋根ふき替えが必要か?」と思われていたそうです。

そこで補修のお見積りのご依頼をいただき、弊社で屋根の点検をさせていただくことになりました。

 

屋根を確認するポイント

屋根の状態を確認する際に、最も大事なのは雨漏りにつながる場所を見落とさないことです。家の中に水が入ってしまうと大変です。木材が腐ったり金属のサビやカビが発生したりするなど、大きなダメージがあります。

雨漏りを招きかねない場所は見落とさないように、しっかりと点検をしなければいけません。

 

弊社が行った屋根点検の詳細

お客様のご自宅は築16年。確かに劣化が見られてもおかしくはない経過年数です。

ですが結論としては、築16年の傷みとしてはとくに酷いわけではなく経年相応、的確な塗装を行なえば補修できる問題のないものでした。

点検した内容を、写真と共にご紹介します。

 

スレート

お客様の屋根はスレートを使用したものでした。

スレートとはこのような薄い板です。薄く、軽量で軽くて加工しやすいことで、屋根材としてはとてもメジャーなもの。一方でカビ・コケの発生やひび割れが起きることがあるため、スレート屋根専用塗料での塗装が必要になります。

スレート屋根の修復や塗装については、詳細を写真付き記事をまとめていますので、ご興味があれば併せてご覧ください。

 

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お客様の屋根のスレートに大きな問題は見当たりません。

16年という経過から考えると、むしろきれいな状態を保てていると言えます。

 

コケ(苔)

スレート屋根にはコケやカビが発生する可能性があります。

お客様の屋根のスレートにも、コケの発生はありました。

このうっすらと茶色くなっているのがコケです。一見分かりづらいですが、水に濡れると緑色に変わります。

確かに外観は悪くなりますが、この程度のコケは雨漏りにはまったく影響がありません。

塗装前の補修技術でコケを剥がすことも、十分可能です。

 

スレートのすき間

一般の方がスレートを見て心配になるところが、スレート同士の間にある「すき間」かもしれません。

このすき間はスレートの個体差であり、劣化によって起きたものではありません。

むしろスレートはすき間を作るように重ねます。くっ付きすぎているものは切り剥がす「縁切り」という施工をして、わざとすき間を開けることがあるほど。

湿気を外に出すことや、毛細管現象(くっ付いた面の間で液体が広がる現象)を防ぐためには、すき間は必要なのです。

なのでこのすき間は、まったく問題はありません。

 

棟板金(むねばんきん)

雨水の侵入を防ぐための棟板金も、屋根の劣化点検のために確認が必要です。

 

コーキング

コーキングは棟板金同士を接続する施工です。

お客様の屋根の棟は棟板金をコーキングで接続しています。

ここが切れていたり浮いていたりする場合はコーキングで付けなおす必要はありますが、写真の通りここも問題はありません。

 

棟板金の釘抜け

お客様の屋根を点検していて、一点だけ気がかりなことがありました。

この棟板金を留めている釘が弱くなっているように見えます。

 

合わせて観たいYouTube 【スレート屋根棟板金の釘抜け】

 

それによって、板金自体が浮いているのがわかります。

これは何が起きているのでしょうか。

この棟板金の下には貫板(ぬきいた)という木材があります。この貫板に釘を刺すことで棟板金を固定しているのですが、この貫板の経年劣化で乾燥したり腐食したりすることで釘が抜けてしまい、棟板金を留めておけなくなっているのです。

確かに、この場合は貫板を新しくして棟板金を固定し直す必要があります。

ですが、これも部分的な補修で対応可能。屋根全体を貼りかえる必要はまったくありません。

 

訪問点検に不安になったら・・

点検結果を報告すると、他業者の言葉に「屋根ふき替えが必要か?」とまで心配なさっていたご主人は、ホッとしたご様子でした。

弊社としても、見積もりの技術でご安心いただけたことで嬉しく思います。

コロナ禍で住民の在宅時間が増えた影響で、点検商法の被害はさらに増えているそうです。急な訪問営業には、慎重にご対応ください。

訪問点検に不安になったら、ご家族への相談すること、或いは複数の事業者に見積もりを依頼しましょう。また、訪問販売では書類を受け取った日を含めて8日間は、クーリング・オフ(無条件で契約解除)ができます。

国民生活センターでは消費者の相談を受け付けています。こちらに相談することもできますよ。

 

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この記事では、お客様の実例とともに点検商法について紹介しました。

見積りの際の現況チェックや調査診断は誠実に行われるべきです。お客様の立場に立てば当然のことですが、おおげさではなく、かといって楽観的ではなく・・。

お宅の美観と住宅価値の維持を担う、必要充分な塗装工事のために誠実な見積りによる的確な現況把握は、とても大切なプロセスです。

弊社も引き続き、誠実で正確な施工を心掛けて、精進してまいります。

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