ノンアスベスト屋根はカバー工法か塗装どちらで施工?正しいカメラ調査と診断

塗装職人では、見積もりのご依頼を頂いた後に必ず現場調査を致します。まずは家の周りをぐるりと一周し、壁面などのチェック。

さらにベランダからカメラ棒を使って、屋根上を撮影するのです。今回はこの屋根上のチェックについて、詳しくお話し致します。

現場調査でなぜ屋根上をチェックするのか

現場調査の際、ほとんどの業者では家の周りだけを見て見積もりを出します。ただ実際のところ、家というのは周りから見ただけですと状態はわかりません。

なぜなら、家で一番ダメージを受けているのは屋根上だからです。一昔前は、現場調査の際に職人が同行し、屋根上へ登って調査をしていました。

しかし現在は、労働基準監督法の関係などから、安全性が確保されない状況で職人が屋根上にのぼることはできません。ここで登場するのが、カメラ棒なのです。

弊社では、お客様宅のベランダに上がらせて頂き、最長5メートルまで伸びるカメラ棒の先にデジカメをつけて、雨漏り診断士が屋根上を撮影します。
こちらの映像をご覧ください。

合わせて観たいYouTube〔屋根カメラ調査〕

このように、ベランダから屋根上まで棒を伸ばしデジカメで撮影するのです。撮影した動画を見ると、一面は苔が生えているのに、もう一面は苔がないもののスレート屋根が割れているのが分かります。

このような屋根の状態や、屋根に使われている素材などを撮影し、状況を把握するとともに、各屋根メーカーに問い合わせを入れ屋根材を特定するのです。

多くのお客様は、最初の塗装から10年〜20年を超えた状態でご依頼を頂くため、設計当初の図面や仕様書などがほとんど残っていません。

奇跡的に図面があった場合でも、規模の大きい建売住宅などの場合は間違った屋根材が記載されていることも。

そのため、一番確実なのは屋根上をデジカメで撮影し、メーカーに確認を取って屋根材を確定させることなのです。

なぜ、屋根材を確定させないとだめなのでしょうか。それは、屋根材によっては塗装できるものと塗装できないものがあるからです。

せっかく屋根塗装の準備をしても、足場を組んで屋根上にあがったところで塗れないことが判明した場合、工事がストップしてしまい時間が無駄になってしまいます。

そのため、少しでも段取りよく工事を進めるために、屋根材の特定は必須なのです。

塗装できる屋根材と塗装できない屋根材とは

ではいったい、塗装できる屋根材と塗装できない屋根材にはどんな違いがあるのでしょうか?通常、スレート屋根は塗装が可能な屋根です。

ところがこのスレート屋根。2006年を境に、2種類の材質が存在します。

1種類はアスベストのスレート屋根。もう一種類はノンアスベストのスレート屋根です。現在のスレート屋根はノンアスベストのものが主流ですが、一昔前はアスベストのスレート屋根が一般的でした。

しかし、2006年に全面的に使用禁止となったのです。そのため人体に影響の少ないノンアスベストの屋根材になりました。

ところが、この切り替わりの端境期に発売されたノンアスベストの屋根材が、割れやすく塗装ができないものがあるのです。

パミールや、コロニアルNEOなど…これらの屋根材をインターネットで検索してみると、さまざまな事例をご覧頂けると思います。

塗装工事の際には屋根も診断 塗ることのできない屋根材とは何か

症状としては、屋根材が数年でミルフィーユ状の層に分裂し、パリパリと割れやすい状態になってしまうのです。

こうなってしまうと、高圧洗浄はおろか屋根上を歩くことも難しくなるため、もう屋根塗装はできません。さらには雨漏りの原因へと直結していきます。

塗装ができない屋根材は、カバー工法や屋根の葺き替えなどが必要になるでしょう。

だからこそ、屋根材によって…塗れるかどうかを確定させるためにも、屋根上の調査は必要なのです。

合わせて観たいYouTube カバー工法の施工実物が見れるショールーム

端境期のノンアスベスト屋根材はどれも割れやすいのか

菊池はさまざまな現場で、アスベストとノンアスベストの端境期に発売された、パミール屋根や、コロニアルNEO屋根に遭遇しています。

その多くが、パリパリに割れ高圧洗浄にも耐えられないことがほとんどです。

合わせて観たいYouTube〔築10年、歩くと割れるスレート屋根のミルフィーユ化 パミール〕

 

ただ、よくよく見ていると…どのノンアスベストの屋根材も必ず症状が出るというわけではなく、屋根材の作られた時期やロットによって、症状がでないものもあるようです。

また家というのは東西南北で日の当たり方や自然条件が変わるため、傷み方が大きく変わります。例えていうと、南の屋根材はもろくなっていても、北側は大丈夫ということもあるのです。

こちらの屋根はコロニアルNEOの屋根なのですが、屋根の向いている向きによって、出ている症状が違うことがお分かり頂けますでしょうか?

一面では苔が生えていて、もう一面では屋根が割れているのを確認することができます。

つまり、コロニアルNEOやパミールの屋根だからといって必ず割れているわけではないのです。

ほとんどの業者では『パミール屋根=葺き替え工事』という図式で話が進みますが、割れていない端境期のノンアスベスト屋根の場合は塗装工事も可能です。

ただし、こうしたトラブルの起こりやすい屋根材を塗装する場合、条件がつきます。その条件とは、塗装後の保証についてです。

塗装職人では、現場調査した結果、屋根材がパミール屋根やコロニアルNEOのような割れやすい屋根材の場合に塗装工事の保証が1年となります。

さらに屋根材の割れについての保証はつきません(通常は屋根塗装後4年の塗装工事の保証がつきます)。

この条件をご了承頂ければ、こうした割れやすい素材の屋根でも塗装工事をすることは可能です。

ただここで申し上げたいのが、割れやすい屋根材を塗装しても割れるのをカバーすることにはなりません。

多くのお客様が、屋根塗装をすると割れることもカバーできるように勘違いされることがあるのですが、塗装をしたからといって屋根全体にビニールのようなコーティングが付くわけでは無いため、割れる可能性は残ります。

それらをご了承頂ければ、以下の写真のように屋根塗装工事は可能です。

もちろん、もうすでにバリバリに割れていて、すぐにでも屋根補修をしないと雨漏りになってしまうようなお宅は別ですが、必ず見積もりの際には屋根塗装とカバー工法などいくつかご提案をいたしますのでお気軽にご相談下さい。

塗装職人では、お客様に塗装や工事の内容について押しつけることはしません。お客様が納得し、選んで頂けるように『ご提案』を致します。

ご提案した中で、お客様が最善と思う方法をご選択頂ければと思うからです。

もちろん、こうした保証や工事の内容、仕上がり具合については見積もりのご説明をする際に、事細かにご説明させて頂き、お客様にきちんとした理解を頂けるように全力でアシストを致します。

どうか安心してお見積もり依頼をなさって下さい。弊社の提案の中から、お客様にとって最善のものを選んで頂けますと幸いです。

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ベランダから屋根上調査することの重要性

お客様によっては、「ベランダに上がって屋根上を拝見します」とお伝えすると、驚かれる方もいらっしゃいます。

ほとんどの業者では家には上がらず家の周りだけ見て見積書を作るため、塗装職人のような申し出をするところが少ないのだそうです。

合わせて観たいYouTube〔屋根カメラ調査の様子〕

しかし弊社ではここまで書きましたように、ベランダから行う屋根上の調査は必要だと確信しています。

もちろん調査をしていても、最終的には水洗いしてシーラーをぎりぎり屋根塗装は大丈夫だと思われた屋根材が、いざ高圧洗浄をしてシーラーを塗ってからバキバということも…。

こちらの写真に写っているのが、まさにその状態の屋根です。


こうなってしまった場合は、カバー工法しか選択ができません。しかしこの場合でも、すでにメーカーも特定されていれば、対応方法をすぐにとることができます。

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もしもそこからさらにメーカーを調べ、対応策を模索したら……時間がいくらかかるかわかりません。

足場を組んだ状態で、メーカーを調べ、対応策を調べることによって数日が経過したら…お客様のストレスはどれほどのものになるでしょう。

そんな状況を避けるためにも、前もって屋根材を調べておくことは何よりも大事なのです。雨や風、そしてゴミなどによる一番影響を受け、傷みが激しいのが屋根といえます。

築20年前後で、ノンアスベスト材の屋根材を使っていらっしゃる家の方は、是非屋根の調査を受けるようにして下さい。そうすることで、工事中や塗装後の大きなトラブルを避けることができるでしょう。

見積りで大切なのはお客様宅を把握すること。ご要望をうかがい図面を精査し、最適な工事を提案します。高い技術とサービスをご納得いただけるよう、いつも心がけています。施工管理技士でもあります。

些細なことでも構いませんのでお気軽にご連絡ください

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