もくじ
暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
連日の猛暑ではありますが、おかげさまで毎日現場やお客様宅へ伺わせて頂き、菊池は比較的暑さに強いので元気に現場を飛び回っております。
今回は、屋根のカバー工法についてのお話です。最近では塗装工事をご依頼される際に、屋根の工事方法としてカバー工法を選択されるお客様が多く、なぜ今カバー工法なのかということを含めて、塗ることができない屋根材についてお話し致します。
塗ることができない屋根材とは
最初に、なぜ塗ることができない屋根材があるのか…ということをご説明いたします。
塗れない屋根材のほとんどは、屋根が割れやすくなっていることが原因です。
しかしこれらの屋根材は、経年劣化で割れているのか…と言われるとそうではありません。
一時期発売された屋根材の中に、割れやすくなってしまうものがあるのです。
以前パミール屋根という屋根材が、屋根を葺いて4~5年ほどでミルフィーユ状に層になってしまい、パリパリと割れてしまうというお話を菊池のブログでさせて頂いたのですが、今はパミール屋根だけでなく『コロニアルNEO』などの屋根材が、塗装できない屋根材として多くなってきています。
こちらがそのパミール屋根のブログです
他にも割れやすい屋根材としては
・レサス
・シルバス
・アーバニーグラッサ
・ザルフグラッサ
・セキスイかわらU
などです。
残念ながら、割れてもろくなってしまった屋根は、塗装することができません。
なぜ『コロニアルNEO』のカバー工法が増えているのか
今回、見積もりに伺ったお客様宅も『コロニアルNEO』の屋根でした。なぜ今『コロニアルNEO』のお客様が増えてきているのかといと、これにはわけがあります。
2006年6月にアスベストを使用することが禁止となり、その数年前から各建材メーカーは移行期に入りました。
アスベストの入った建材から、NOアスベストの建材へ。
この端境期に出てきた屋根用の建材が、『パミール』や『コロニアルNEO』でした。
パミールは耐久年数が非常に短く、先ほどもお話しましたように4~5年で屋根がボロボロになります。
くらべて『コロニアルNEO』は10年ほどなんとか耐えるのですが、10年経つとボロボロになっており、塗り直しができない状態になってしまうのです。
つまり、15年前のちょうど屋根材の端境期に『コロニアルNEO』で葺いた屋根が、今いっせいに限界を迎えています。
そのため、『コロニアルNEO』の屋根材を修復するために、カバー工法工事が増えているのです。
カバー工法の全工程動画
塗装職人では屋根材の専門メーカーが診断をします
弊社では、お見積もりに伺った際にベランダやバルコニーからカメラ棒につけたカメラで屋根上をムービー撮影させて頂き、それをコロニアルNEOのメーカーの後身である『ケイミュー』という屋根材・外壁材などを扱う総合外装建材メーカーに診断をしてもらいます(『コロニアルNEO』は株式会社クボタ時代に発売されたもの。
発売時期の様子はこの関連記事をご覧ください。
現在、旧株式会社クボタは『ケイミュー』となりました。『ケイミュー』はクボタグループとパナソニックグループ両方に属している会社です)。
もちろん、撮ったムービーをお客様にお見せすることもできるのですが、大体のお客様はご覧になっても、そもそも屋根の上を常日頃から見ている方というのはいらっしゃいませんので、その屋根に塗装ができるのかできないのか…というのを判断することができないのです。
病院などで、レントゲン写真を撮ってもらった際に、見ながらお医者さんが説明して下さる時があるかと思うのですが、よほど見事に折れている骨折でも無い限り、なかなか素人目にはレントゲン写真を判断することはできませんよね。
それと同じです。
だからこそ専門の業者から、なんの屋根材なのか判定をしてもらうことが大切なのだと思います。お客様に使用されている屋根材をお伝えしますと、最近ではお客様自らカバー工法をご提案くださることもあります。
一昔前は、なぜこの屋根材を塗ることができないかなど時間をかけてご説明を差し上げていたのですが、最近ではネット上に情報が溢れていて、ひとたび「コロニアルNEO」と検索するだけで、塗ることができず対処法としては葺き替えかカバー工法がおすすめであることが書かれているため、みなさん決断されるのが非常に早くなっていらっしゃるようです。
こちらはクラックが入ったスレート屋根の上にカバー工法をした施工実物を見ることができるショールームです。ご興味のある方は一度足を運ばれてください。
カバー工法を行うには段取りが大事
カバー工法は、塗装工事と同時に行う場合は段取りがとても大切な工事です。
というのも、屋根材を覆う際にサイズを合わせるために屋根上でカバー工法用に使われるガルバリウム鋼板などを切るのですが、その際に『切り粉』というものがでます。
この『切り粉』が、非常にやっかいなものなのです。というのも、この切り粉が屋根に付きますと、錆びる原因となり、壁などにつくと汚れとなります。
また、もっともやっかいなのはバルコニーなどの防水工事をした上に切り粉がついてしまった場合です。せっかく防水をしても錆びてしまうことがあるのです。
それですので、塗装職人では屋根のカバー工法をしてから高圧洗浄をかけ、塗装工事に入ることが多いです。
とはいえ、この場合カバー工法を施した屋根を汚さぬように養生する必要もあるため、屋根の塗装をするよりは時間も手間もかかるのです。
カバー工法と一口にいっても、こうした工事をする際の対処が必要ですので、是非依頼する際には段取りがしっかりと組める塗装業者をおすすめ致します。
コロニアルNEOなどの屋根材で無くてもカバー工法をする場合とは
コロニアルNEOやパミールでなくても、屋根にカバー工法を施す場合があります。
それは、屋根材が古くなり棟板金が浮いてきた時です。
とはいっても、棟板金は10年ほどでは浮きません。
訪問販売の手口で「おたくの棟板金が浮いていますよ」といって、無理矢理屋根工事の押し売りをしてくる業者がいますが、菊池のこれまでの経験を元にしていいますと、棟板金が傷んでくるのは家が建築されてから25年後くらいです。
棟板金が浮いてくる原因は、棟木が傷みによるものであるため、2回目の外壁塗装の際に屋根工事もすると良いでしょう。
この際にも、カバー工法か屋根の葺き替えを選択肢に入れます。
屋根工事の押し売り業者 関連記事です
塗装職人では必要な工事をご提案
お客様に塗装についてお見積もりのご依頼をいただいた際に、塗装職人では家の状態を拝見した上でベストと思える工事内容を提案致します。
「もしかしたら、うちの屋根コロニアルNEOだから塗れないかも…」と心配になる必要はありません。
塗装職人では塗装以外の工事が必要な場合でも、コーディネーターである見積り担当が塗装だけでなく、適宜カバー工法など必要な工事を手配致します。
お客様に、不要な工事はさせません。お客様の家を守ることを第一に、的確な診断でお客様の家に合った工事をいたします。
是非一度ご相談ください。